食糧化学工学分野の概要
ヒトが生きていくために食べ物は不可欠です。ヒトは季節毎にその地域で採れた物を食べてきました。しかし,経済性や嗜好性などのため,今日では様々な地域で生産された農水畜産物が加工され全世界に流通し、消費されるようになり、私たちの食生活は豊になりました。これに伴ってヒトの寿命も長くなり、特に日本は急激に高齢化社会に突入しましたが、寿命の長さは国民に健康をもたらしたわけではありません。むしろ病気の発症率は50年前と比較すると、糖尿病はおよそ30倍、アレルギー症状も10倍以上増加しています。また、若い人たちの肥満などの生活習慣病の発症率も高くなっています。さらに様々な精神的、肉体的なストレス環境で生活しているため、近年は精神疾患も少なくありません。食糧化学工学分野では、食科学における最新テクノロジーをたえず取り入れて、健康、食の安全、環境、エネルギー等の諸問題を解決するための基礎となる教育と研究を行い、多くの優れた人材を社会に送り出しています。本分野の研究成果は、ヒトの健康維持・向上、高い機能性・保存性を持った食品の創製、食品のおいしさや安全性の評価と確保、新しい食品製造システムの開発、未利用資源の有効利用など広い分野で活用されています。 |
食糧化学工学科(分野)創立五十周年記念事業について
本学科は平成27年度をもちまして創立五十周年を迎えました。これを記念して、
記念講演会ならびに記念祝賀会が開催されました。同時にこれまでの本学科(分野)の
歴史を振り返る記念誌を刊行いたしました。