19年11月15日 3限目 13:00-14:30  防音103教室
和泉健次郎 氏 小川香料株式会社 研究統括本部 健康素材研究所 シニアリサーチャー 
    「食品素材および添加物の機能開発的展開」


演者は、まず香料メーカーが手掛ける製品は、主に食品香料と香粧品香料であること、また、香料業界は「少量多品種の業界」と言われてように、ひとつの商品に含まれる量こそ微量あるが、香料は市場に存在する食品や香粧品とほぼ同じ数だけ存在していることを説明した。さらに、香料メーカーの特徴は商品のすべてがオーダーメイド品であることから、クライアントの依頼するものをいかに忠実につくりあげるかが問われることになるということを強調した。つぎに、クライアントから新商品のコンセプトやイメージ、消費者ターゲットなどの概要、さらにその商品にマッチした香りについてのイメージや要望など、いわゆる「開発依頼テーマ」を取得し、その情報を研究開発部や素材開発部(天然物から有効成分を抽出・精製するといった技術)へ受け渡し、クライアントと共同で商品の研究開発を進めながら、最終的に消費者に満足してもらえる高品質の製品を作り出す、という香料メーカーの商品開発手順について説明した。最後に、科学的知識や技術、そしてクリエーターとしての多彩な発想力とアーティスティックな感性を併せ、「本物らしさ」を極める製品づくりに心がけるとともに、安全・安心な素材の追求、「香り」や「味」以外の特性を持った提案性の高い製品の開発が香料メーカーにとって今後益々重要になることを受講者に理解させ、教育効果があった。

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