平成20年度後期「食品開発学特論」

20年11月28日(金)4限目  14:50-16:20 4号館110教室
増田 泰伸 氏
キューピー株式会社 研究所 健康機能R&Dセンター  健康・栄養グループ グループリーダー


「マヨネーズの栄養と特定保健用食品の開発」

実施報告

本講義では,「マヨネーズの栄養と特定保健用食品の開発」として,マヨネーズの歴史や組成,マヨネーズの摂取によるβカロテンの吸収促進効果について解説された。また,コレステロールが高いイメージがあるマヨネーズであるが,実際には,マヨネーズの摂取により,中性子脂肪やコレステロールなどの血中脂質には影響が無いことが示された。さらに,進んで血中コレステロールを低下させるためには,その吸収抑制が現実的で,このためにはコレステロール吸収阻害効果のある植物ステロールを添加し,更にカロリーを下げることが重要であるが,植物ステロールは均一には分散しにくい点が問題であった。これを独自の技術で,微細で均一なエマルジョンを作ることに成功し,実際に特定保健用食品として認可され,「コレステロールを下げる」ことが表示できるようになった経緯が詳しく説明された。本講義の内容は,特定保健用食品開発には,機能性研究だけでなく,物理化学的な食品の先端加工技術が伴って初めて成功することが解説され,幅広い知識が必要であることが示されるなど教育効果があった。

講義風景

講義資料