平成20年度後期「食品開発学特論」

21年1月19日(月) 3限目 13:00-14:30 5-117
小野 一彦 氏
ハウス食品株式会社ソマテックセンター運営部 2グループ長


「食品メーカーにおける製品開発と安全安心への取り組みについて」

実施報告

本講義では,ハウス食品を例として,マーケッティング,企画,設計,試作,製造における担当部署など食品開発の体制についての説明があった。次いで,商品開発の3原則である,独自性,先行性,高品質が重要であるが,何といっても開発の成否のの鍵は,開発差自身の意気込みにあることが強調された。更に,商品発売後には直ちにアンケート調査を行って,製品の改良につなげることで,リピーターを増やすことができることが述べられた。発売に当たっては,当然であるが,表示など食品関係の法規に従わなくてはならず,単純な表示のミスでも全国紙に謝罪広告を載せるだけで2000万円の費用がかかり,更に製品回収となると1億円以上が必要となることなど,表示のミスの重大さも示された。さらに顧客満足度を上げるためには商品安全性も重要な因子であり,リスクを推定して事前に対応しておくことも必要であるなど商品開発に関する難しさについても説明され,本講義の内容は,商品開発に付随する様々な問題点の指摘とその対策が示され,食品開発においては社会経済学的な知識,法律の知識も重要であることを理解させるなどの教育効果の高いものであった。

講義風景

 

講義資料