平成21年度 国内・国外調査実施報告                                        

生物機能科学部門 教授・園元謙二   


1.出張期間:   平成21年 8月12日 ~ 平成21年 8月20日(9日間)

2.調査大学等
(1)国名:スイス連邦
(2)大学・部局等:Nestlé Research Center(ネスレ中央研究所)
(3)所在地:PO Box 44, Vers-chez-les-Blanc, CH-1000 Lausanne 26, Switzerland


3.調査報告(本プログラムへの効果等、別紙可・別紙の場合は「別紙」と記載))

本視察で訪問した研究機関、ネスレ中央研究所(NRC)は、スイスのローザンヌにあり、食物、栄養と生命科学関する基礎研究を志向する世界の主要な研究機関のうちの1つである。今回の訪問では、世界戦略的フードサイエンス教育プログラムのコア科目「食品開発学特論」の昨年度の講師を勤めた、Dr. Yoichi Fukushima(福島洋一博士)と旧知の仲であるDr. Beat Mollet (Intellectual Manager)にNRCを案内して頂いた。
NRCは1987年に設立され、非常に能力の高い第一級の研究スタッフとそれらの多様な専門性によって、NRCは才能と専門知識のユニークなブレンドをめざしていることを実感できた。300人以上の研究者を含む700のスタッフを擁しているNRCは、Nestléの研究開発ネットワークの核心である。スタッフの国籍は約50であり、Nestléの多国籍の性質を反映している。さらに、大学、研究所、企業との330以上の世界的な共同研究を展開しており、NRCの研究者は、常に研究コミュニティのハブにいる。その研究能力の一端は、たとえば、2007年に、NRCは240の原著論文を発表し、かつ25の特許を取得したことからも窺うことができた。
特に、NRCは次の技術的フィールドでの革新をめざしている。

今回の訪問では、出張者の研究対象である乳酸菌など食品微生物を活用した食品の生体調節機能に関する研究に関係する研究者を紹介頂き、相互の研究紹介と調査を実施した。また、Nestléはこの6月には、再生可能なバイオマスから乳酸発酵を通じたバイオプラスティック事業を助成・推進する声明を出し、環境を重視する世界企業としての位置づけを高めることをねらっていることも調査した。調査に協力頂いた研究者は下記の方である。

彼らの研究は非常に基礎的なものに集中していることがわかった。彼らは、研究発見と科学的な前進が消費者のための企業と多数の新機軸製品の開発に必須であることを常に意識して行動している。 以上、今回の調査によって,環境事業をも取り入れたフードサイエンスの最先端研究現場を実体験することができ、今後、本プログラムの推進に活用することができる。

4.その他
(1)参考資料添付
調査大学での参考資料等
研究所内では写真撮影が基本的に認められておらず、研究所の正面と通路の写真などを添付する。