平成21年度後期「食品開発学特論」
22年2月3日(水) 3限目 13:00-14:30 4号館110教室
上門 英明 氏
明治乳業株式会社 研究本部 技術開発研究所 分析技術研究部 衛生微生物学グループ
■「乳・乳製品製造における微生物管理の実際と支援研究」
本講義では,微生物の増殖が良い乳製品における微生物管理の考え方、微生物管理のポイント並びに、微生物管理の迅速化のために必要な微生物の検出・同定の迅速化について解説された。乳製品は,原料乳の微生物初期汚染も多いため、新製品の開発においても、他の食品に比べて微生物制御が重要な位置を占めている。実際に牛乳の製造工程が紹介され、各工程における微生物管理のポイントが紹介された。生乳の汚染微生物としては種々の細菌が有り、これらには低温増殖性のもの、耐熱性の毒素を産生する黄色ブドウ球菌、セレウス菌芽胞、耐熱性の高い栄養細胞を持つエンテロバクター属細菌、マイクロコッカス属細菌などが問題となる。これらの菌は低温殺菌でも生残することが有り、熱履歴のすくない、牛乳本来のおいしさを保持した乳製品の開発には,これらの問題となる細菌の混入防止、増殖抑制、殺菌が重要となることが解説された。また、新鮮な製品を提供するためには,出荷検査の迅速化が重要で、明治乳業での検査の迅速化の取り組みについて具体的に説明が行われた。さらに、積極的な微生物制御のためには、環境や原料の微生物汚染を把握し、実際の環境条件における増殖予測などを体系的に行うことが重要 で,そのための先進的な取り組みについても紹介された。
本講義の内容は、食品産業界を目指す学生に対して、乳業界における微生物制御の現状と、その食品開発における重要性を理解させるなど教育効果の高いものであった。
講義風景


講義資料