平成21年度後期「食品開発学特論」

 22年2月10日(水)4限目  14:50-16:20 4号館110教室

 明石 肇 氏 
 株式会社日清製粉グループ本社 R&D・品質保証本部  QEセンター 所長

■「小麦・小麦粉と二次加工技術」

 本講義では、まず、小麦は我が国では86%が輸入品であり、通常は6倍体であるため,定期的に栽培品種を変えないと病気にかかり生産性が低下することなど小麦の基礎について解説が行われた。さらに、小麦の製粉と麺類加工品への利用とその技術的な問題点について説明された。栽培品種の詳細と、小麦の構造から製粉方法が説明され、できた小麦粉の種類と用途、その特性に基づいた麺類(2次加工品)への利用について技術的な説明が行われた。麺類への利用では,麺類の食感にはタンパク質ではなく小麦粉に含まれるでんぷんが重要で、アミロース含量などの違いで食感が全く異なることや、麺がのびる原理なども説明され、長期間、腰のある麺を作って流通させるには、麺の中心と外側の含水率を制御する必要性があることが示された。紀元前3000年からの歴史が有り、幅広い加工食品に利用される小麦粉の基礎と応用,将来について理解させるなど、本講義の内容は、食品産業を志向する学生に対して教育効果の高いものであった。

講義風景

講義資料