研究内容

カイコ-バキュロウィルス発現系を利用した有用タンパク質の効率的な生産システムの開発

豚などのウィルス病のワクチンとして利用可能な有用タンパク質や、他のタンパク質発現系では発現が困難なタンパク質を、カイコ-バキュロウィルス発現系で生産することを目指しています。

研究例1 (カイコ-バキュロウィルス発現系によるSARS-CoV-2のS抗原の生産)(Fujita et al., 2020)

研究例2 (カイコ-バキュロウィルス発現系によるT7Endonuclease I の生産)(Kakino et al., 2020)

(実験手法・キーワード 昆虫飼育 ウィルス 培養細胞 トランスフェクション 遺伝子組み換え SDS-PAGE ウェスタンブロッティング PCR クローニング コンストラクト作製 タンパク質精製 Hisタグ)

ゲノム編集によるタンパク質生産に適したカイコ系統の分子育種

特定の遺伝子をノックアウト、ノックインすることによりバキュロウィルスによるタンパク質生産に適したカイコ系統の育種を行っています。また、カイコではCRISPR/Cas9システムによるノックインの効率が低いため、効率的にノックインを誘導するための手法を開発しています。

研究例1 (ゲノム編集によるカイコの卵サイズの大型化) (Fujii and Banno, 2018).

(実験手法・キーワード 昆虫飼育 CRISPR/Cas9  マイクロインジェクション PCR sgRNA合成 DNA抽出 ジェノタイピング T7アッセイ)

昆虫有用遺伝子の探索と機能解析

カイコでは、遺伝子座にして200程度の可視形質の変異体(色、模様、形、行動、食性など)が知られており、その大部分は九州大学で保存されています。それらの変異体の原因遺伝子の同定と機能解析を通じて、昆虫有用遺伝子を探索しています。

研究例1 (RNA-seq解析とゲノム編集によるプリン代謝遺伝子の機能解析) (Fujii et al., 2020)

研究例2(RNA-seq解析とゲノム編集による矮小不眠蚕の原因遺伝子の同定)(Fujii et al., in press)

(実験手法・キーワード 昆虫飼育 交配実験 次世代シーケンス RNA-seq ゲノム編集 ポジショナルクローニング PCR RT-PCR DNA抽出 RNA抽出 クローニング バイオインフォマティクス 実体顕微鏡 蛍光顕微鏡 酵素活性)