News & Topics

こちらでは日々の衛生昆虫に関わる様々なニュースや特集などを紹介します。

タイでチクングニアウイルスが急激に拡大 蚊が媒介役を果たす (201217)

https://jp.sputniknews.com/asia/202012178026971/

タイのパタヤ周辺でチクングニヤの報告例が増えているようです。タイでも蚊が多い夏がハイシーズンなのですが、なぜこの時期に報告が増えているのかはわかりません。欧州CDCによると、2020年12月はタイ、チャド、ブラジル、インドで比較的流行が大きいようです。

花王、蚊の嫌う肌表面をつくる蚊よけ技術を開発 (201209)

https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1294149.html

表面張力の低い低粘度シリコンオイルを塗布すると、蚊の脚が本来撥水性によって濡れずに済むところを、べちょべちょにすることで蚊の忌避行動を誘導する、というもののようです。

温暖化で蚊増えた? 生息域が北上、県内は盛岡以南で確認 (201201)

https://www.iwate-np.co.jp/article/2020/12/1/88467

ヒトスジシマカの生息 (定着) は年平均気温11°C以上の場所と考えられています。該当地域は年々拡大 (北上) しており、今後も生息域は拡大するだろうと思われます。

感染症:マラリアが乾季に生き延びる仕組み (201027)

http://www.natureasia.com/ja-jp/research/highlight/13489

疫学調査からの報告で、蚊が少なくなる乾季では「原虫感染赤血球が血管に接着しにくくなる→腎臓で除去される→低レベル感染状態になる」というシナリオだろうと考察されています。

マイクロソフトが生物学的脅威検出のための「Premonition」プラットフォームを発表 (200927)

https://jp.techcrunch.com/2020/09/27/2020-09-22-microsoft-launches-premonition-its-hardware-and-software-platform-for-detecting-biological-threats/

要点としては、機械学習を用いて蚊の発生予想を行う、というものだが、精度の高い結果を出すためには、十分な教師データ (蚊発生の実測データ) をとることが課題になるだろうと思います。

かゆみや症状で判断できる!? 蚊とダニの刺され方の違い (200929)

https://weathernews.jp/s/topics/202009/260045/

2020年の衛生動物学会でも特集がありましたが、発疹にも様々な違いがあります。

蚊も夏バテ…実は秋の方が刺されやすい 対策をプロに聞いた (200918)

https://www.nishinippon.co.jp/item/n/646126/

虫除けについてわかりやすくまとめれていますので、ご参考に。

「都会の楽園」のはずが…緑あふれる集合住宅、蚊の来襲でほぼ無人に 中国 (200915)

https://news.yahoo.co.jp/articles/c2912be0e2eb0415490770e963b0fa19e5ae69a5

都市緑化そのものはよい取り組みだと思います。住宅に困るくらい蚊がやってくるということは、そこに蚊の発生源があると考えられます。特に退去したところは手入れが十分にされずに放置されやすくなりますので、定期的に発生源となる水たまりを排除するなどの管理を行うことで困るようなことにはならないだろうと思います。

ルイジアナ州で蚊の大群が発生。襲われた牛や馬や鹿、400頭以上が大量死 (200912)

https://news.yahoo.co.jp/articles/31d69d919c48fd532b5d9244c5faaca28d0ed516

すさまじい内容です。貧血に加え、皮膚下の出血も認められるとのことですが、表皮に出血跡が認められる場合はサシバエなどによる咬傷の可能性もあるかもしれません。死に至らないにしても相当数の虫に襲われているわけですから、家畜等が感じるストレスは大きく、牧畜業としての生産性は大きく低下すると思われます。

イグノーベル賞 蚊の吸血と交尾をジャマする音楽って!?(飯田 綱規) (200910)

https://news.mynavi.jp/article/20200910-1293690/

*注 こちらの記事は記事執筆者が面白そうと思った研究の紹介であり、受賞の話ではありません。 音源を利用した昆虫行動の撹乱の研究は古く、特に農業害虫である蛾を対象としたものがあります。これを特定周波数の音波ではなく、音楽を使うところにユーモアがあり、人間に寄ってくる蚊を対象とする場合に音楽を利用するというのは理にかなっていると思います。近隣住民への迷惑にならなければ、の話ですが。

マダニ媒介の感染症多発、肌の露出避けて! 岡山県が呼び掛け、患者が過去最多4人に (200910)

https://news.yahoo.co.jp/articles/68d1d6471e912efc77931117ef2a9b2cbdf9c999

SFTS、日本紅斑熱、ツツガムシ病いずれも重症化することのある疾患です。最近はアウトドアブームもあり、感染報告が増えてくるのではないかと懸念しています。

県内でネコ初感染 「SFTS」 ヒトにも感染 致死率は14% 静岡・浜松市 (200903)

https://news.yahoo.co.jp/articles/b5de1b6c2efc9e227ae670194dfe6e6e9cc3e69e

これまでSFTSの発生は西日本に限定されていましたが、ウイルス自体は全国的に検出されていました。今回の事例で静岡を含めた東日本においてもSFTSウイルスの媒介が顕在化したと言えます。とりわけ医療機関においては東日本だからSFTSはない、という先入観を持たずに診察・診断することが大事になってくるでしょう。

デング熱感染拡大のシンガポール、「蚊バズーカ」で不妊蚊を発射 (200831)

https://news.yahoo.co.jp/articles/ba469188b293bb66bec40891b704d952358ca66e

ボルバキアを用いた感染症抑制の取り組みについてはとてもいいことだと思います。この取り組みは「生態系の制御・改変」というものですが、どのくらいの蚊をどの程度、どの頻度で、どこに放てばどのくらいの効果がでるのか、をキチンと精査できるようにすることが、今後の対策へ向けて重要かと思います。

「失明の可能性も」謎の炎症起こす“やけど虫”の正体は (200831)

https://news.yahoo.co.jp/articles/10bbf5013f914a77242b0189487308f6c2415030

九大博物館の丸山先生が解説頂いています。毒虫の類としては他にもイラガなどがいます。蚊やマダニの吸血、アオバアリガタハネカクシやイラガ類等からの虫刺され対策として野山では肌の露出を避けることが挙げられます。夏場は暑いですが、その場所に適した服装とするのがよいでしょう。

日本脳炎注意報 熊本県内全域に発令 (200828)

https://news.yahoo.co.jp/articles/22394323312ab6a9ae6653160befec56762eace0

7月の長崎県に引き続き、熊本県でも発令されました。発令基準は各都道府県ごとですが、概ねブタへの新規感染を示す抗体 (IgM *β-ME感受性抗体) が検出されることが目安になります。

タイ デング熱患者4.8万人、32人死亡 (200828)

http://www.newsclip.be/article/2020/08/28/43176.html

昨今は新型コロナウイルスの話題がホットですが、他の感染症も依然として猛威を奮っています。インフルエンザウイルスについては手洗い、消毒、ソーシャルディスタンス確保等によりコロナウイルス同様に感染対策になると思いますが、蚊媒介感染症にはこれらは効果がありません。

蚊が運ぶ感染症 温暖化で高まるリスク (200826)

https://www.tokyo-np.co.jp/article/51198?rct=national

媒介感染症を考える場合、ベクターとなる昆虫の生態が重要になってきます。ヒトスジシマカは我々の身の回りで最もよく見る蚊で、デング熱等の主要媒介蚊となっています。ヒトスジシマカの生息域拡大自体を抑えることは困難ですが、身の回りで発生数を低減させることはできます。溜り水があると蚊が発生するので、花壇の水受けや空き容器の溜り水を定期的に捨てるようにするとよいでしょう。

遺伝子組み換えた蚊7.5億匹を放つ計画、地元が承認 米フロリダ州 (200820)

https://www.cnn.co.jp/fringe/35158411.html

今回使用されるOX5034系統は、次世代のメス個体を殺し、オス個体は生存するというもののようです。これにより、メス殺しの効果は世代を超えて維持される、と考えられているようです。そして交配相手のメスがいなくなれば、組換え蚊もいなくなるので、結果的にはそのエリアから蚊がいなくなる、と期待されます。紫外線照射個体を用いた不妊虫放飼と異なり、効果が持続的であることから、非島嶼部においても有効な方法かと思います。ネッタイシマカ自体の行動範囲はそれほど広くないので、効果的な防除のためには放飼方法の詳細検討が必要だと思いますが、このあたりは情報が出ておりません。また効果・影響のアセスメント方法はなかなか難しいと思います。生態系への影響の懸念が当然ありますが、「蚊を殺す」という選択をするからにはそれに伴う影響は当然あります。これは、「蚊が減ることのメリット」と「その影響によるデメリット」のどちらを重視するか、という問題であり、私見としてはこのメリットを上回るデメリットは今のところ想定されない、と考えています。

「ブン蚊都市」の汚名返上へ奮闘、薬剤散布で繁殖エリア3割減 (200820)

https://news.yahoo.co.jp/articles/2bf0db7cee6c0688091f8ca753271e0eded069d9

蚊の発生を抑えるには、地域に存在する発生源をしっかり把握し、その数を減らす、あるいはIGRなどの殺虫剤を使用することが効果的です。ヤブ蚊は100mほど、イエカは数キロの行動範囲を持っているので、個人だけでは発生を抑制するのが難しく、地域で協力して対策をとることが重要です。

マダニに刺され感染 日本紅斑熱で女性死亡 君津市 (200816)

https://news.yahoo.co.jp/articles/2c1d622c4582a3a0cb09cca1c1bff95073426aed

これから秋に入っていくに従ってマダニの活動が活発になります。野山へお出かけの際は肌を露出しないようにするなど気をつけてください。

レジャーや草刈り、マダニに注意して 致死率高い感染症SFTS、京都で今年初確認 (200815)

https://news.yahoo.co.jp/articles/2332239bfd4aa49e8cc5288d7d8ae89e62660b4f

記事にもありますが、SFTSは高齢者で特に重症化しやすいです。草が生い茂る場所では肌の露出を控えるなどの対策をとるとよいでしょう。

中国で「新型ブニヤウイルス」7人死亡…60人が感染 (200804)

https://news.yahoo.co.jp/articles/ecd54fb17f1c44edc44d8401d7a775fa95b1992e

これはSFTSのようです。SFTSウイルスは2011年に同定されたもので、日本でも10年以上前から存在しています。「新型ブニヤウイルス」という表現は新型コロナウイルス (SARS-CoV-2) の騒動に乗っかった表現で、あまり適切な報道ではないと思います。SFTSは致死率が高く、2019年も100名近くの患者が報告されているように高リスク感染症ではありますが、主要感染経路はマダニ咬着によるものですので、コロナのようなパンデミックの心配はありません。余談ですが、SFTSウイルスは現在ではフェニュイウイルス科のウイルスに分類されています。ブニヤウイルス科は古い分類で、現在は細分化され、ブニヤウイルスは上科になっています。

デング熱、空前の大流行 コロナ影響か シンガポール (200727)

https://news.yahoo.co.jp/articles/867ca7530a1a1baa59c0af8ca324f1bc351d4fab

記事にも少しありますが、なぜデング熱の流行が大きくなったのか、その原因について検証することが今後の対策のためにも必要でしょう。

スズメバチから園児守る 手作り蜂誘引器設置、住友ゴム工業白河工場 (200716)

https://news.yahoo.co.jp/articles/967a8928dd7153cbb64636739bc031391c64542f

スズメバチは比較的好戦的な性格で縄張り意識が強いです。巣を見つけても刺激しないようにしましょう。

離島・金門で牛の伝染病 ワクチン接種開始へ 台湾本島への流入防ぐ (200714)

https://news.yahoo.co.jp/articles/beeeb3223ab5a6db36074172c47c3676a588d8fb

ランピースキン病はポックスウイルス科ウイルスによる牛伝染病で、ハエなどによる機械的伝搬によって媒介されると考えられます。近年日本では発生していないようですが、移入には注意が必要です。

熱海の女性がマダニ感染症 静岡県内で今年3例目 (200714)

https://news.yahoo.co.jp/articles/ac28dfa92324b0bc501ed68077c033d0f08551bb

日本紅斑熱の国内発生件数は20年くらい前は年間30~40件でしたが、ここ数年は300件前後となっています。

ネコからマダニ感染症発症 広島県内の獣医師、治療で接触 県内で初確認 (200713)

https://news.yahoo.co.jp/articles/e33d4d7cadf8a5742cff8e7ba01b20b4abbb8e5a

ネコをはじめ、複数種の動物がSFTSの保有動物となり得ることがわかっています。発症が疑われるペットからのひっかき傷などで感染することが考えられますので、留意が必要です。

長崎県が日本脳炎注意報 (200709)

https://news.yahoo.co.jp/articles/61e1c7b767a36a353a65b4cf273001ec9855a24c

近年、日本脳炎はワクチン接種の普及により発症数は抑えられていますが、ウイルス自体はは国内に広く分布しており、決して少なくありません。

いわき・小名浜ふ頭「ヒアリ」調査 強毒アリの有無…わな設置 (200708)

https://news.yahoo.co.jp/articles/dba9a39e6af346935ed12e9cbd07f52bc0898caa

本来であれば全国で一斉調査ができればデータの比較等ができて対策につなげやすいと思いますが、難しいですね。どのような結果が得られるのか楽しみです。

「スケベ虫」被害が増加 虫刺されのかゆみを鎮める4つのポイント (200707)

https://news.yahoo.co.jp/articles/0868a889c758e2428cb290912383ed84a4e5bf37

ヌカカはコバエのように小さな虫で、家畜にウイルス病を媒介することがあります。

シンガポールでデング熱激増、過去最悪の被害懸念 (200704)

https://news.yahoo.co.jp/articles/8e0c8775ac41c4fb2c04d09ab634b690376a2565

2019年は東南アジア各国でデング熱が多かったです。シンガポールやカンボジアでは2020年も多くなりそうです。

マダニ感染症で京都府内の80代男性意識不明 府内で今年初 (200703)

https://news.yahoo.co.jp/articles/061798773af1f130d02c0f95c148d19ec6a0c69

高齢者は重症化しやすいので、山間に行く際にはマダニに咬まれないように服装等に留意してください。

蚊、コロナ媒介せず イタリア研究所が発表 (200626)

https://news.yahoo.co.jp/articles/2999e402f0e7a0435e530bb7c1a822400cb4f417

コロナウイルスの感染メカニズムからすると、蚊によって媒介されることはないと思います。

ヒアリ/東京湾で相次ぎ発見、川崎で初の確認、千葉では千匹以上 (200625)

https://www.lnews.jp/2020/06/m0625404.html

移入事例が続いています。今はまだ定着は確認されておらず水際対策で済んでいますが、件数が多くなってきていますので何らかの対策が必要になってくるでしょう。

毒グモにかまれ高校生が軽症…大阪・岸和田 (200623)

https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20200623-OYTEW544096/

セアカゴケグモは日本に移入以来、すっかり定着しています。性格は大人しく、向こうから襲ってくることは滅多にありませんので、見つけても刺激しないようにしましょう。ちなみに九州大学キャンパス内にはかなりの数が生息しています。

「蚊はなぜ暗闇でも飛べるのか」 メカニズムを解明…寄せ付けない“新たな手法”が見つかるかも (200621)

https://news.yahoo.co.jp/articles/af44283cedefbbc345c303ba1594fab0475e3388

ちなみに蚊の体重は軽く、強風に弱いです

【熊本県感染症情報】日本紅斑熱、今年4人目 (200619)

https://this.kiji.is/646522286748959841

日本紅斑熱はマダニより媒介されるリケッチア感染症です。SFTS同様、マダニに咬まれないようにすることが大事です。

蚊が媒介するマラリアなどの伝染病を不妊化したオス蚊をドローンで撒いて予防 (200617)

https://jp.techcrunch.com/2020/06/17/2020-06-16-drone-deployed-sterile-mosquitoes-could-check-spread-of-insect-borne-illnesses

不妊虫放飼の際は、生息域・生息数を把握することが重要ですが、蚊の場合は生息エリアが非常に広く、課題は多いです。

高温多湿な夏は蚊が活発に デング熱に注意 (200612)

https://news.yahoo.co.jp/byline/katayamayukiko/20200612-00183040/

国内にデングウイルスは定着していませんが、輸入感染症事例から国内感染へとつながり、一度感染が広がると拡大防止は困難です。2014年に国内流行の例がありましたが、今後も再発する可能性があります。

横浜港に強毒「ヒアリ」300匹 行列、土中の出入り確認

https://news.yahoo.co.jp/articles/2ca4c96ddde8dd4b5935babe9b401e6fbbd6792d

まとまった個体数が見つかっていることから、産卵が行われている可能性が考えられます。これが年間を通して世代が継れば定着となりますが、まだそれは確認されていないようです。

牛白血病媒介サシバエに 天敵の蜂 国内にも 九州大学が初確認 (200523)

https://news.yahoo.co.jp/articles/09a677ef796b9b76e571649bf4ff3b3cb6902ed8

九州大学の松尾先生の成果です。現在一緒に調査等を行っています。

マダニ感染症 福山の70代女性死亡 全身けん怠感や発熱訴え 自宅近くに竹やぶ、野原 (200511)

https://news.yahoo.co.jp/articles/8650417bfc63a57b583efa73b5b977175463bc84

SFTSは年々報告数が増えてきています。マダニ咬着には注意してください。

嬉野の80代女性がマダニSFTS 佐賀県内で2年ぶり感染確認 (200502)

https://news.yahoo.co.jp/articles/ba8c5b07b00165b9772eaab2782774223196a6ed

SFTSは西日本を中心に発生しており、年々報告数が増加しています

デング熱、99年以来最多 昨年461人、海外感染が大半 (200115)

https://news.yahoo.co.jp/articles/81cf8513edbf66599444d03a38912cc4d9210e78

2019年は東南アジア各国でデング熱の発生件数が多かったです。

今年のマダニ感染症が100人 過去最多、高い致死率 (191217)

https://news.yahoo.co.jp/articles/a9b2547bd84c8effecc8d0d4745db0132ef46f8e

SFTS患者の発生報告は西日本に限定されていますが、それ以外の地域でも動物からSFTS抗体が検出されているため、今後発生エリアが拡大することが懸念されます。

小学生が宿泊学習でトコジラミ被害、かゆみや発疹訴え 同じ公共施設で2年前にも

https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/26265

トコジラミ (南京虫) の発生は近年増えてきているようです。正確な発生動向調査はありませんが、駆除相談件数は増加しています。

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