アジア・アフリカ学術基盤形成事業 (HP)
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ハイブリッドイネと農業生態系の科学

Science of hybrid rice:
breeding, cropping patterns and the environment

 アジアでは食料のほとんどを稲作に依存しており,イネに関する研究の成果は地域の安定と発展に直接反映される.ハイブリッドイネは雑種強勢という特性を生かしたイネのF1品種で,急速にアジア各地に普及しつつある.我が国のイネ科学は基幹作物の育成と実験作物としての利用に貢献してきたが,学術的な成果が必ずしも国際的な実用場面に活かされておらず,かつ市場としてのアジアにおいても中国、タイ、ベトナム等の国々が優位にたっている.しかし,現在のハイブリットイネはアジア各地に固有の病虫害に対応しておらず,しかも窒素肥料を多量に投入する必要がある点などからさまざまな問題を引き起こしている.

 そこで本事業では,(1) アジア各地のニーズに応じた低投入型次世代イネの品種開発を目指し,(2) ハイブリッドイネの高窒素要求品種や早生品種導入に伴う農業生態系と農村環境への影響および作付け体系の変化を明らかにするとともに,(3) アジア農学の実態をわが国の地域農業と合体させ,地域間大学協力のもと国際高等農学教育の拡大を図る.

雑種強勢:植物や動物において雑種が両親よりも旺盛な生育を示す現象.

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