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平成22年度からの九州大学大学院生物資源環境科学府の教育組織の再編について

(1)再編の必要性

21世紀に入り重点的に対応すべき農学を取り巻く課題は急増し,「世界の人口と食糧確保の問題」,「水,環境,エネルギー問題」,「食の安全,安心に対する関心の高まり」,「グローバル化のさらなる進展とアジアの台頭」など山積の状態であり,農学に対する期待は重要かつ多様なものとなっている.
大学院重点化,国立大学法人化,教員定員の削減,少子化による日本人学生の減少や学生の志望動向の変化,東南アジア諸国からの留学生の志願急増など大学院教育をとりまく外部環境の変化.
農学部卒業生の70%が大学院進学を希望する現状において,農学の属性である学際性を担保しながら,専門性をより一層体系的に深めるためには,現行の細分化された8専攻大学院教育体制は非効率的
農学に関する知識/技術体系を有する多様な人材養成に向けて,課題設定解決型人材の育成および非アカデミックキャリアパスの設計を達成するための教育方法の改善.

(2)再編の目的

修士課程において,専門を一層体系的に学ぶためコースワークを中心とした基礎教育カリキュラムの充実(ブロック・モジュール制を導入したコア科目群)
課題設定解決を主眼とする課題プロジェクト演習カリキュラムの導入
環境科学の広がり,学際化に即した教育体制の確立
国際化加速プログラム,大学院教育改革支援プログラムの成果およびバイオアーキテクチャーセンターの知識,技術を活かす教育体制,教育カリキュラムの構築
大学院教育に関わる教員の定員削減等の要因に左右されにくい学府教育体制の編成
専攻の枠を越え,実社会とのつながりを意識した学府共通教育カリキュラム(副専攻: 農林水産業への貢献,生物産業界への貢献,アジアへの国際貢献)の構築

(3)教育組織再編の概念図および各専攻のアドミッションポリシー

<各専攻のアドミッションポリシー>
資源生物科学専攻
本専攻では、人類に課せられた最重要課題の一つである食料問題の克服を基本理念として、陸圏、水圏を包括した食料資源生物の持続的安定供給、革新的生産技術、保護管理および資源生物生存環境の保全を目指し、分子・細胞から生態系にまで至る幅広い専門知識と先端的技術、深い洞察力および豊かな創造性を併せ持つ人材を体系的、組織的に育成することを教育目標とする。生命の営みや生物生産の仕組みに関心をもち、将来、食料問題の解決や、生物生産を支える豊かな環境の創造に挑戦しようとする意欲をもった人物を期待する。
環境農学専攻
本専攻では、生物生産環境、生物生存環境の保全・修復・創生と資源の生産・加工・利用を図り、環境と資源利用が調和した高度で持続可能な社会の構築に寄与する人材を体系的、組織的に育成することを教育目標とする。先端的知識、包括的思考力、高度な課題探求・解決能力の修得と学際的かつ国際的に活躍するために必須となる英語、化学、生物学、物理学、数学、経済学などの基礎学力、および研究遂行のための熱意・能力・資質をもった人物を期待する。
農業資源経済学専攻
本専攻では、社会科学総合の観点から、国際フ-ドシステムの社会経済問題に関する高度な研究能力と国際性を備えた指導力を持つ人材を体系的・組織的に育成することを教育目標とする。そのために必要となる英語、経済学及び各研究分野の基礎知識を広範に修得し、熱意を持って研究を推進できる能力を有する人物を期待する。
生命機能科学専攻
複雑な生命現象の発現と調節に係る機能素子の作用機構の解明とデザイン、細胞内ネットワ-クシステムの構成要素(分子)間の相互作用の解明、有用微生物やバイオマスの機能利用した持続型・低環境負荷型有用物質生産技術の確立、食の機能性・安全性・製造技術など総合科学としての食科学に関する広範な専門知識と総合力、深い洞察力および豊かな創造力を養うことを教育目標とする。生物機能分子とそのシステム、生物機能の工学的応用、および食科学に強い関心を持ち、それらの分野を取り巻く課題に果敢に挑戦しようとする強い意欲をもった人物を期待する。
生物産業創成専攻(博士後期課程のみ)
生物産業界との連携を視野に入れたより実践的な研究課題を通して,戦略的かつ実践的な研究の企画・立案・研究管理能力を向上させ、国際的な場でリーダーシップを発揮するプロフェッショナル人材を養成することを教育目標とする。具体的な人材像は、①遺伝子システム、代謝システムおよびバイオプロセスを研究対象として分析技術、情報科学的技術を駆使して生物機能のシステム解析を行い、生物生産システムにおける生産効率の飛躍的向上のためのストラテジーをデザインできる、②微生物/植物/動物の遺伝子改変を取り入れたシステム解析、機能性食品生産の効率化、機能創出のためのバイオマテリアル構築法など、新規生体機能物質創製のためのストラテジックアーキテクトをデザインできる、等である。専門基礎知識技術を有し、生物産業界において変化する社会情勢に柔軟に対応でき、熱意をもって生物産業対応型産学連携フィージブルリサーチプロジェクトを主催しようとする強い意欲をもった人物を期待する。

(4)修士課程の新教育カリキュラムの概要図

副専攻

(5)博士後期課程の新教育カリキュラムの概要図

(6)予定入学定員

なお、平成22年度の九州大学大学院生物資源環境科学府の学生募集(修士課程)についての案内は、大学設置・学校法人審議会の審査終了後に行うもので、現在のところ平成21年6月下旬に公表を予定しています。
平成22年度大学院生物資源環境科学府修士課程一般入試・平成22年度大学院生物資源環境科学府外国人留学生入試は、現在のところ以下の日程で実施を予定しています。
平成21年8月26日(水)~28日(金)