研究活動
研究活動
熱帯・亜熱帯地域における農業は,それぞれの国・地域の実情に照らした技術の開発が必要とされています.多様な作物を組み合わせたクロッピング・システム(作物栽培技術),病虫害による生産性の阻害,生物多様性の保全などに対する研究が期待されています.
また,熱帯林については,その維持管理や乾燥地での造林技術の開発,森林や耕地の土壌浸食の防止,さらに地域の水環境・土壌環境の保全が望まれています.
これらの問題は相互に関連しており,総合的な視点から研究をする必要があります.
研究内容
本センターにおける研究の目標・内容は以下のもので、いずれも熱帯・亜熱帯地域を対象にしている。
- 地域の緑豊かな環境を守り、食糧生産を増やし、貧困撲滅に貢献する「持続可能な農林業の発展」を目的に、作物生産と環境、地水・環境保全、国際開発に関する研究を行う。
- 種多様性が高く指標生物となる昆虫、特にアリ類の系統分類学的・群集生態学的研究を行う。
- 有用な栽培・園芸品種を発掘し、それらの育種と実践的な栽培技術を開発する。
- 作物病虫害の発生・被害状況を把握し、これと植物―土壌系環境との関連性を明らかにする。
- 農村地域における土壌や水資源の汚染、土壌侵食などの地水環境問題の実態を把握し、その原因を究明する。
- 森林と気候変動、生物多様性・生態系保全などの地球規模課題に関して、国内外の研究者と連携を図りながら、学際的な研究を行う。
イネ紋枯病に侵されたイネ
南米の野生カタバミ科植物,
アルゼンチン
イネ紋枯病に侵されたイネ
農地土壌のサンプリング
(ベトナム)
水田地域の水環境
(ベトナム国ハナム市)
カンボジア農村の水環境