センターについて

 九州大学大学院農学研究院附属アクアバイオリソース創出センター

良質の動物性タンパク質の供給源としての魚類養殖業は成長産業であり、その魚類養殖業を成功に導くキーワードが「完全養殖」「ゲノム育種」「新餌料」「低環境負加」であります。九州大学農学研究院に新たに創設されたアクアバイオリソース創出センター(Aqua-Bioresource Innovation Center, ABRIC)では、これらのキーワードを九州大学が有する革新的研究リソースに基づき克服し、それらをベストミックスすることで、基礎研究・技術開発から社会実装・流通までを包括した、新しい魚類養殖産業を創出し、地域および我が国の養殖産業の振興ならびにタンパク質供給の安全保障に貢献することを目的としています。農学研究院を含む学内3部局(農学研究院、工学研究院、経済学研究院)ならびに3学内共同教育研究センター(植物フロンティア研究センター、水素エネルギー国際研究センター、五感応用デバイス研究開発センター)の教員が参画しており、佐賀県唐津市にはABRIC唐津サテライトが主要な研究施設として設置されました。 

 本センターには、創出、基盤、制御、開拓、実装の5ユニットが設置され、時勢に応じた機動力を発揮するために、ユニットを超えた研究開発クラスターを適宜構築し、プロジェクトベースで事業を推進します。 

アクアバイオリソース基盤ユニット
多系統の品種を保持するための生殖幹細胞バンク、生殖幹細胞を利用して個体再現を行う代理親魚技術、昆虫餌料、組換えワクチン等の新たな養殖技術開発に関する研究を行います。 
アクアバイオリソース創出ユニット
ゲノム編集技術やマーカー選抜育種等により消費者ニーズの高く、養殖に適した新品種の開発に関する研究を行います。
アクアバイオリソース制御ユニット
エネルギー循環システム、ICT、AI等を組み合わせた陸上魚類生産工場のシステムを構築し、生産環境の制御・最適化を推進します。 
アクアバイオリソース開拓ユニット
魚類以外のアクアバイオリソースの開拓・新品種作出や海洋生物の特性を利用した物質生産システムの構築に関する研究を行います。 
アクアバイオリソース実装ユニット
成果物の品質評価、機能評価、安全性評価等の付加価値を通して商品としての社会実装を行うとともに、バリューチェーンの構築を行います。