ご挨拶

⽣物化学研究室は2021 年に百周年を迎えました。⽣物化学研究室の創設から現在に⾄るまでの歴史を記します。

生物化学研究室の歴史

2018年4月より、「蛋白質化学工学分野」と「生物化学分野」が統合し、一つの研究室として新たに「生物化学分野」がスタートしました。
また、2018年夏に九州大学農学研究院は伊都地区の新キャンパスに移転しました。研究室はウエスト5号館の7階にあります。どうぞお訪ね下さい。

私たちは、基礎生化学、基礎分子生物学の中で、特にDNA複製、修復、組換え、転写、翻訳などの遺伝情報伝達の仕組みについて、その分子機構を詳細に解析し、その成果を応用して、バイオテクノロジーの有用技術開発を行っています。
DNA 複製、修復、組換え、転写、翻訳という遺伝情報の維持と伝達の分子機構の解明は分子生物学の中心課題ですので、これらをテーマにしている研究室は世界中に数えきれなく存在します。その中で生物化学研究室の特徴は、第3の生物といわれるアーキア(日本語では古細菌、始原菌などと訳されます)をモデル生物に用いているところです。アーキアは一見して細菌類と似ていますが、大腸菌や乳酸菌、枯草菌などの真正細菌とは進化系統的に明らかに異なる生物で、我々ヒトを含む真核生物とも違うので第3の生物と呼ばれていて、進化的にとても魅力ある研究対象です。興味深いことに、遺伝情報系に関わるタンパク質はアーキアと真核生物で共通の祖先を有していることがわかっています。したがって、アーキアの研究によって、我々ヒトの細胞の中で起きている遺伝情報伝達と維持の根本原理を理解することができると期待されます。さらにおもしろいのは、生物化学研究室で扱っているのは、100°Cの温度で生育する超好熱性アーキアです。極限環境下での生命現象の維持機構を理解するとともに、この生物の産生する安定性の高いタンパク質を用いて、レプリソームのような高次複合体解析を行うことができるので、超好熱性アーキアを用いた分子生物学はとてもエキサイティングな研究領域です。さらに、これらの基礎研究を通して得られる多くのDNA関連酵素、タンパク質因子を利用して、新規遺伝子工学技術、蛋白質工学技術を開発することを目指して研究を続けています。

これらの研究に興味をもって真剣に実験に取り組み、新しい発見をしたい人、新しい技術開発をしたい人の参加を大歓迎します。私たちの研究室において独創的な課題に取り組み、研究する喜びと楽しさを感じてください。研究過程における多くの苦労を乗り越えて、新しい発見、発明を成し遂げたときの感動を一緒に味わいましょう。

  • 農学研究院 生命機能科学部門 生物機能分子化学講座 生物化学分野
  • 生物資源環境科学府 生命機能科学専攻 生物機能分子化学コース 生物化学分野
  • 農学部 応用生物科学コース 応用生命化学分野 生物化学研究室
  • Biological Chemistry, Department of Bioscience and Biotechnology, Graduate School of Bioresource and Bioenvironmental Sciences
  • システム生命科学府 生命工学講座 構造分子生物学研究室
  • Structural and Molecular Biology, Division of Life Engineering, Graduate School of Systems Life Sciences
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