平成22年度食品開発学特論

 

■12月10日(金)4限目 (14:50-16:20) 4号館110教室

溝田 泰達 氏

森永乳業株式会社 食品総合研究所 第1開発部 マネージャー


「牛乳のおいしさ評価と製品開発への応用」

本講義ではまず、牛乳の歴史、殺菌法など、牛乳の基礎について解説が行われた。この中で,乳業メーカー各社は、酸化を防止したり,殺菌方法を工夫したりして、特徴のある牛乳を製造していることが示された。講師は、殺菌条件によって牛乳の味や風味が異なることを味センサーおよび匂いセンサーにて客観的に評価し、コクとキレのある おいしい牛乳の製造には、殺菌条件と殺菌方法が重要で、直接殺菌法による殺菌により、生乳に近いコクとキレのある牛乳が製造できたことを示した。特に、牛乳のコクには、脂肪球の大きさが重要で、脂肪を均質に分散させるために行われる均質化の程度を調整することでコクのある牛乳が製造できることを示した。また、パッケージについてもヘキサナールの生成を抑制するには遮光性が重要であることを見出し、これによりパッケージの色が決定されたことも説明された。

本講義の内容は、長い歴史を持つ牛乳であるが、その製造上の問題点を明らかにして更に高品質化を目指すためには客観的な評価が必要であることを示し、消費者が何気なく購入し飲んでいる牛乳の製造にも様々な先端技術がつぎ込まれておいしい牛乳が開発されていることを学生に理解させるなど教育効果の高いものであった。


講義風景

     

     

 

講義資料 (pdf)

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