平成22年度食品開発学特論

 

■3月3日(木)4限目 (14:50-16:20) 4号館110教室

大塚 隆一 氏

株式会社明治フードマテリア 新素材事業部・取締役

新素材事業部長

 

 本講義では、講師が手がけてきた機能性素材研究とこれからの健康な生活に重要な体内インフラの整備において必要である機能性成分について解説された。
講師は、明治製菓入社後に,大学時代の専門とは全く異なる機能性研究の分野に一人配属され、カルシウムの吸収を促進させる「カゼインフォフォペプチド」を開発し、これが,サントリー社の「鉄骨飲料」に採用され、この年の日経新聞によるランクでは西日本第一の商品となった。技術系で企業に就職すると、これまでと全く異なる研究分野に配属されることはあたりまえで、与えられたテーマについて研究し,成果を出すことが要求される.これを達成することで、評価され,信頼もされるようになる。大学の学生時代の研究とは異なり、全く異分野でも,企業では成果を出すことが求められるが、異分野の研究でも,現在の研究分野の知識や手法などの基礎が役に立つことが多いので、これをしっかり身につけておくこと、異分野の知識もどん欲に勉強しておくことが学生時代には大事であると説明された。
また、明治製菓の健康食品の概念として、体がさびる、こげる ことを防ぐ、ことが大きなテーマとしてあり、これは食べた栄養成分が効率よく吸収されるためにはまず腸がきれいであることが大事であり、吸収された成分の循環を良くするためには血管の状態、血液の状態を健康に保ち、酸化も防止する必要があることが示された。これを達成するための「クレンズ」という概念について解説された。体内インフラの整備を目的に、同社が研究した成果として、フルクトオリゴ糖、体内の糖化反応を抑制する植物成分として見出されたドクダミ、セイヨウサンザシ、カモミール、ブドウの葉の抽出物の有効性について解説された。

本講義の内容は、現在の勉学に望む姿勢の重要性を理解させ、さらに今後の機能性研究の方向性を示すなど、国政的な食品および飲料メーカーを目指す受講学生に対して大きな教育効果があった。


講義風景     

     

     

     

講義資料

 

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