silkworm
繭
カイコガ
カイコ
silkworm
繭
カイコガ
カイコ

ようこそ!
私たちの研究室へ

 私たちの研究室の特色は800種類にも及ぶ個性的なカイコです。今ではカイコを見る機会が少なくなりましたが、かつて日本人にとって身近でした。繭から取れるシルクは最高級の繊維です。カイコは、飼育が簡単。小学校の教育教材にも好都合で、利用者が多いです。大学ということで敷居が高いと感じる方も多いかと思いますが、どうぞ気楽にお問い合わせ下さい。

 私たちは、個体レベルの形質調査、生殖巣の凍結保存、分子遺伝学実験、ゲノム編集、パソコンを駆使したデータ解析まで、幅広い研究を行っています。昆虫に興味の有る方に限らず、大学院に行こうか迷っている方がいらっしゃいましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。R5年3月末でこれまで長きに渡って家蚕遺伝子分野を率いてこられた伴野豊教授が定年退職されました。4月からは新体制でのスタートとなります。

研究室概要

私たちは2つの顔を持ちます。

遺伝子資源開発研究センターにおける研究室としての顔

世界一の多様なカイコを保有し、研究、教育、文化、産業に貢献しています。
かの有名なHermes(エルメス)も注目するカイコもいますよ。

生命機能科学部門における研究室としての顔(大学院教育)

一般的な大学の研究室をイメージしてください。
カイコや関連する昆虫をベースにした研究、教育を行っています。
研究室名は、「生命機能科学部門システム生物工学教育コース家蚕遺伝子資源学分野」となります。大学院入試要項などでは長い名前ですが、これが正式名称となります。

当研究室では広いスペースで研究ができます。
大学院生以上を対象とした研究室であり、学部生がいないため九州大学からの進学者は少なく(ほぼ毎年ゼロ)、他大学からの受験生も積極的に受け入れています。

主要な研究内容
  • 1. カイコのルーツと進化に関する研究詳細
  • 2. カイコの凍結保存に関する研究詳細
  • 3. 変異体の原因遺伝子の解明詳細
  • 4. 染色体異常の構造解析詳細
  • 5. 新しいシルク素材の開発詳細

本研究室は、世界一の研究用カイコを保有しているカイコのストックセンターです。その多様なカイコ800系統余のカイコをベースに研究を行なっています。普通、カイコの繭は白色が一般的ですが、実は黄色、オレンジ、ピンク、クリーム色など様々です。幼虫の色にも黒や茶色、赤などの変わった特徴を持つカイコがいます。
それら(変わった性質)を正常な性質を持つカイコと比較研究することで、何故変わった形質を示すかがわかります。逆に、普通のカイコの持つ遺伝子の構造や機能を知ることができます。突然変異体は生命現象の神秘を知ることの出来る宝物です。
カイコは養蚕業で培われた大変扱い易い昆虫で、実験動物としても優れ、動物愛護の高まりの中、マウスやラットの代替実験動物としても注目されています。

メンバー紹介

本研究室のメンバーを紹介します。飼育、分譲、凍結保存、ジェノタイピングなどを担当するNBRPスタッフが8名、季節に応じてはお手伝いに来ていただいている方々もいます。

  • 藤井 告

    准教授

    研究者情報
  • 藤本 章晃

    学術研究院

  • 岩下 真子

    M2

  • 福田汰知

    M1

     
  • 西川 和弘

    技術専門職員

  • 田村 圭

    技術専門職員

  • 山本 和典

    技術専門職員

※NBRPとは「ナショナルバイオリソースプロジェクト」の略称です

論文発表

The biological role of core 1β1-3galactosyltransferase (T-synthase) in mucin-type O-glycosylation in Silkworm Bombyx mori.
Morio A, Lee JM, Fujii T, Mon H, Masuda A, Kakino K, Xu J, Banno Y, Kusakabe T.
Insect Biochem Mol Biol. 2023 doi: 10.1016/j.ibmb.2023.103936.

DNA sequence analysis of a chromosomal aberration in irradiation induced burnt (Bu) mutant of Bombyx mori.
Fujii T, Kubo M, Kuwazaki S, Yamamoto K, Ohnuma A, Banno Y, Shimada T. Insect Biotechnol. Sericol.91, 41-50. 2022

Silkworm FoxL21 plays important roles as a regulator of ovarian development in both oogenesis and ovariole development.
Tanaka M, Fujii T, Mon H, Lee JM, Kakino K, Fukumori H, Ebihara T, Nagasato T, Hino M, Tonooka Y, Moriyama T, Fujita R, Banno Y, Kusakabe T.
Insect Biochem Mol Biol. 2022 doi: 10.1016/j.ibmb.2022.103737.

藤井告. ゲノム情報と次世代シーケンスによるカイコ変異体研究の進展. 蚕糸・昆虫バイオテック 91 (2), 75-84, (2022)

Development of interspecific semiconsomic strains between the domesticated silkworm, Bombyx mori and the wild silkworm, B. mandarina.
Fujii T, Kiuchi T, Daimon T, Ito K, Katsum S, Shimad T, Yamamot K, Bann Y. Insect Biotechnol. Sericol.90, 33-40. 2021

Non-molting dwarf (nm-d) as a mutant of Bombyx mori with a defect in purine synthesis.
Fujii T, Kakino K, Fukumori H, Hino M, Lee JM, Kusakabe T, Banno Y.
Insect Biochem Mol Biol. 2021 doi: 10.1016/j.ibmb.2021.103636.

藤井告. 九州大学のカイコリソース : 基礎研究から物質生産まで. アグリバイオ 5 (7), 608-612, (2021)

藤井告. カイコのゲノム編集と次世代シーケンス解析. 昆虫と自然56 (7), 巻頭1p,5-10, (2021)

A defect in purine nucleotide metabolism in the silkworm, Bombyx mori, causes a translucent larval integument and male infertility.
Fujii T, Kakino K, Tanaka M, Lee JM, Kusakabe T, Banno Y. Insect Biochem Mol Biol. 2020 doi: 10.1016/j.ibmb.2020.103458.

アクセス

所在地/福岡市西区元岡744 カイコバイオリソース研究施設(AG22)内

空路

福岡空港→(地下鉄空港線)→地下鉄「姪浜駅」(JR筑肥線へ乗換) →九大学研都市駅 →(昭和バス)→九大農学部

福岡空港→(地下鉄空港線)→博多駅→(西鉄バス)→九大農学部

JR

JR博多駅→(地下鉄空港線)→地下鉄「姪浜駅」(空路参照)

JR博多駅→(西鉄バス)→九大農学部

西鉄

西鉄福岡駅→(地下鉄空港線)→地下鉄「姪浜駅」(空路参照)

西鉄福岡駅→(西鉄バス)→九大農学部

※バス停「九大農学部」より徒歩5分
※西唐津行き、筑前前原行きなどの電車に乗車した場合は、姪浜駅での乗り換えは不要です
※車でお越しの方は守衛室でお手続きください(入構料300円)

お問い合わせ

カイコや桑の葉が欲しい!

「カイコの入手法について知りたい」とメールや電話でお尋ねください。以下の3つのアドレスに送信していただければ素早い対応が可能となります。
藤井 t.fujii★agr.kyushu-u.ac.jp
吉田 yoshida.mikiyo.334★m.kyushu-u.ac.jp
後藤 k-goto★agr.kyushu-u.ac.jp
TEL:092-802-4820, 4821, 4822
FAX:092-802-4822

研究室に入りたい!

本研究室では大学院生を募集しています。
少しでも興味のある方はぜひご連絡ください。
藤井 t.fujii★agr.kyushu-u.ac.jp
TEL:092-802-4820

その他

教育機関でのカイコ活用方法や、取材等についてのお問い合わせは以下にお願いします。
藤井 t.fujii★agr.kyushu-u.ac.jp
TEL:092-802-4820

※メールアドレスの★を@に置き換えてください。

カイコやカイコ研究について分かりやすくまとめた冊子ができました!
ぜひ一度ご覧ください。

日本語版(PDF)

英語版(PDF)

カイコ紹介冊子イメージ
3月で定年退職された伴野豊教授(現九州大学名誉教授)が
カイコバイオリソース辞典を発刊しました。
九州大学で管理されている主要な系統約500系統の由来や特徴を、豊富な写真と共に概説した大著です(288ページ)。
大人から子供まで、幅広い層の方が見て楽しめる内容です。研究者の方は新たな研究のアイディアを、小学生は夏休みの自由研究のテーマを見つけることができるかもしれません。非売品ですが、全国の図書館に寄贈済です。ぜひ御覧下さい

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