トピック

R5年度概算要求におけるミッション:
昆虫食科学分野と昆虫DX分野の新設

令和5年度 教育研究組織改革分(組織整備)の概要
九州大学グローバル昆虫科学研究コアが拓く安心な未来社会デザインと昆虫新産業創生

教育研究組織の概要

 平成30年に7部局が参画する昆虫科学・新産業創生研究センターを設置し、昆虫科学の強みをさらに拡張すべく研究成果を上げ、その成果を着実に社会実装へと先導してきたところであるが、本事業では、①昆虫DXを核として発展させるために昆虫バイオインフォマティクス研究分野を昆虫DX研究分野へ統合、②衛生昆虫学を新たなステージへと深化、③昆虫食科学研究分野を新設することで、昆虫科学を基盤とした異分野融合、産学連携による総合知の活用、新学問領域への統合を推進し、センターにおける研究の中心である「グローバル昆虫科学研究コア」を軸として問題を解決していくこと、つまり「昆虫(科学)を複合的に利用」することにより、生物多様性、地球環境を損なわずに「人の幸せ、豊さ(多様なWell-being)」を実現できる持続可能な未来社会デザインと昆虫新産業の創生を目指す。

未来社会実現のために取組む、九大がトップランナーとなれる基盤がある項目
◆ 国内トップの昆虫分類学のデジタル化と成果の社会還元
◆ 衛生昆虫学を活用したone health感染症総合対策
◆ DXを活用した昆虫新産業の創生
◆ 安心な純国産家畜用経口ワクチンの安定供給システムの確立
◆ 地域と連携した九大昆虫リソース群の産業化を推進
◆ 「安心して食べたくなる昆虫科学」の創出

措置教員等の状況(役割等)

昆虫科学・新産業創生研究センターに学内配置した7名のセンター専任教員に加え、下記の3名の教員を配置。軸となる国内外の研究者が集う「グローバル昆虫科学研究コア」に昆虫DXの要素を新たに取り入れ、その昆虫DXを核として3ユニットが協働して発展していくための役割を担う。

昆虫分類ユニット(教授)【1人】 :「グローバル昆虫科学コア」の牽引役として、昆虫DXを核にしたマネジメントおよびユニットの継続的な連携を先導。昆虫分類ユニットとして昆虫種同定の自動化、標本データの高精度デジタル化技術の確立。

環境・衛生昆虫学ユニット(教授・若手)【1人】 :同定とカタログ化。従来法に依存しない、持続可能な衛生害虫防除法の確立や衛生害虫の有用昆虫化。

新産業創生ユニット(教授・若手)【1人】 :食料・飼料資源としての昆虫科学研究の促進(成分・機能分析、廃棄物処理による低価格昆虫飼料の開発、家畜用経口ワクチン、冬虫夏草ライブラリーを用いたサプリメント開発、ゲノム編集等による高付加価値食用昆虫の開発)