Type of Study

科学とは新たな事象や論理を発見・構築し、記述すること、そしてそれらに基づく応用利用を開発するプロセスです。
科学の中で何かを論じる際は、それが根拠・論拠に基づくことが求められます。その根拠を提示するために行われるのが実験であり、データ解析になります。こういったデータをベースに、自身の学説を構築したり応用利用開発するプロセスが研究となります。

研究はその性質により3つに分類されます。それぞれに求められる姿勢は異なりますので、研究内容を考えたり評価する際は、まずその研究の「タイプ」がどれに当てはまるのかを考えてみましょう。そして自身が研究をする場合は、どのタイプの研究が自分の好みに合うのかを考えてみると、より自身の興味への理解が深まると思います。
そして、研究のタイプによってアプローチや考え方が異なるので、そこに留意してください。

「観察型研究 (Observation)」着眼点が命!理屈はある意味不要
新たな事象や現象を発見したり、新種の生物を見つけたりするタイプの研究です。「未知の発見」あるいは「記載型研究」とも呼ばれるものになります。観察型研究で重要となってくるのは、「着眼点」と「観察方法」になります。人は見ようとしているものしか見ることはできません。例えば光学顕微鏡ではウイルス粒子も天体も見ることはできません。分子生物学であれば、対象の多くは直接見ることはできず、実験による観察から間接的に窺い知ることしかできません。新種生物の探索でも、その対象がいるところにいかなければ見つけることはできません。そのため、「観察・探索方法のデザイン」が研究の質を大きく左右します
そして発見したものは、既知のものとの比較により評価します。見つけたものがどれほどユニークであるのか、あるいはどれだけ普遍性のあるものなのか、を記述することが求められます。

「解析型研究 (Analysis)」 論理的整合性を求める. 計画は変わったほうが面白い!
未知の現象について、なぜそうなっているのか、を解き明かしていくプロセスです。ここではロジック (論理) が極めて重要になります。未知の現象について説明する場合、はじめは様々な可能性が考えられます。解析型の研究で求められるのは、その無数にある選択肢を如何にして減らしていくのか、になります。”全ての不可能を消去して、最後に残ったものが如何に奇妙な事であっても、それが真実となる(When you have eliminated the impossible, whatever remains, however improbable, must be the truth.)” というシャーロック・ホームズ的な考え方です。逆説的にいうと、実験後に想定される選択肢が減っていなければ、その実験は無意味、ということです。そのため、実験をデザインする際は、実験結果について適切な「作業仮説」を立て、結果がポジティブでもネガティブでも可能性を絞り込めるようにすることがポイントとなります。
解析型研究の評価では、“解釈が合理的であるかどうか”が重要です。よく誤解されがちですが、科学は事実に基づく合理性を求めるものであり、極論を言えば真実であるかどうかは問わないのです。科学では後ほど新たな事実が発見されて解釈が更新されることを許容しており、不変の真実であることまでは要求されていないのです。「科学は日進月歩である」とよく言われる所以でもあります。
解析型研究では結果が予想と異なることもあり、それが新たな発見に繋がることもあります。研究を開始する際は作業仮説に従ってプランを立てますが、このプランは臨機応変に改変してもかまいません。

「開発型研究 (Development)」成果至上主義でニーズが大事
これまでに積み上げられてきた知見に基づき、新たな技術や手法を生み出す研究です。創造・イノベーションとも言われるもので、近頃やたらと要求されるタイプの研究です。開発型研究では作り出されるものが如何に役に立つものであるのか、がポイントになります。他の2つのタイプと異なり、その評価には「社会のニーズ」も関わってきます。またそのニーズにも、「既にニーズはあるが満たされていないもの」と「認知されていないニーズ」があります。前者ではニーズが満たされていない要因を探求し、解決することが必要であり、後者ではそのニーズを創造する力が要求されています。「認知されていないニーズ」を満たす開発は「破壊的イノベーション」などとも呼ばれます。
開発型研究では到達すべきゴールに向かって、適宜マイルストーンを設定し、その実効性を評価しながら研究を進めることが望ましいです。

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