低分子化によって得られる抗腫瘍効果

フコイダンを低分子化する理由ですが、人体が十分に吸収できる分子量は3,000以下とされています。したがって、低分子化することにより、消化器官から体内への効率の良い吸収が見込めるようになります。

低分子化のもう一つの理由は腫瘍の増殖抑制効果に関係します。下記のグラフは、大腸がんの細胞を接種したマウスに、高分子と低分子のフコイダンを混ぜた餌を与え、腫瘍移植後の日数を調べたものです。

大腸ガン細胞移植マウスの生存曲線

高分子フコイダンは、初期の段階で腫瘍が大きくなるのを防ぐことがわかったものの、全体的に強い腫瘍抑制効果は認められませんでした。一方の低分子化フコイダンは、腫瘍の増殖抑制効果が継続的に見られ、生存日数においてもはっきりとした延命効果が認められます。

人体への安全性の確認

低分子化フコイダンの研究に先立ち、私たちは人体への安全性を確認する試験を行っています。これはアメリカのエイムズ教授が1975年に発表した「エイムズ試験」とよばれる方法で、含まれる成分が生物の遺伝子に影響をおよぼすかどうかを調べる試験方法です。

低分子化フコイダン抽出物をこの方法で調べた結果、遺伝子の突然変異誘起能がないことがわかりました。

また、体内に入り、肝臓で代謝される際に遺伝毒性物質に変化する危険性はないかどうかも調べましたが、これについても認められませんでした。さらに、マウスを用いた急性毒性試験でも異常は見られず、人体に対して安全であると考えられます。

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