第67回日本癌学会学術総会

「酵素消化低分子化フコイダン抽出物による
ガン細胞のアポトーシス感受性増強効果」

第67回日本癌学会学術総会

フコイダンは褐藻類由来の硫酸化多糖類である。
近年、日本において藻類Cladosiphon novae-caledoniae Kylin (モズク)由来のアワビグリコシダーゼ消化フコイダン抽出液(フコイダン抽出液)が、その抗ガン作用のために臨床において大きな注目を浴びている。ここで、我々はフコイダン抽出物のガン細胞特異的アポトーシス誘導効果を報告する。

フコイダン抽出物は、種々の足場依存性及び非依存性ガン細胞の増殖を抑制した。ガン細胞膜表面の糖鎖発現が、ガン細胞の悪性化に依存して変化することが知られている。FITC-標識レクチンを用いた糖鎖発現プロフィルの解析によりコンカナバリンA(Con A)結合糖鎖の発現がヒト肺腺ガン(A549)、ヒト子宮頸ガン(HeLa)及びヒト線維肉腫HT1080細胞のフコイダン抽出物処理によって増強されるということが明らかになった。

ガン細胞のCon A誘導アポトーシスは、フコイダン抽出物での処理によって容量及び時間依存的に増強されたが、ヒト正常線維芽細胞TIG-1のアポトーシスは増強されなかった。

※第67回日本癌学会学術総会 にて掲載されました。

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