第14回日本統合医療学会

「口腔扁平苔癬に対する低分子フコイダン投与についての臨床的検討」

第14回日本統合医療学会

L-フコースを主構成糖とする褐藻類フコース硫酸含有多糖であるフコイダンは様々な生理活性を持つことが報告されている。今回我々は、口腔扁平苔癬患者を対象として、低分子フコイダン摂取による本疾患への治療効果についての検討を行ったので報告する。2008年9月~2010年9月までに昭和大学歯科病院口腔外科を受診した口腔扁平苔癬のうち、ステロイド軟膏塗布が奏功しなかった難治例31症例を対象とした。フコイダンの投与法は、120mg/dayを30日間投与し、病変の大きさや形の変化をみると共に、自覚症状の変化を観察した。性別は男性6名、女性25名。平均年齢は68.6才であった。投与後に接触痛の減少や白斑の薄化を認めた症例は12例(38.7%)であった。そのうち1例は病変の消失を認め、その後の経過観察においても再発を認めていない。フコイダンが難治性の口腔扁平苔癬に奏功することが示され、前癌状態への新しい治療法のひとつになる可能性が示唆された。

※昭和大学歯学部 顎口腔疾患制御外科学教室の研究結果です。

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