九州大学大学院 システム生物学 細胞制御工学研究室

細胞制御工学教室ホームページ

 

細胞制御工学教室連絡先

〒819-0395 福岡市西区元岡744
 九州大学大学院 農学研究院 生命機能科学部門 システム生物工学講座 細胞制御工学分野
   教授 片倉 喜範 (KATAKURA, Yoshinori) E-mail:katakura★grt.kyushu-u.ac.jp
   助教 照屋 輝一郎 (TERUYA, Kiichiro) E-mail:kteruya★grt.kyushu-u.ac.jp
     ※メールアドレスの★を@に変更してください

 

研究項目

□ 老化・寿命制御の分子機構の解明とアンチエイジング創薬への応用(片倉)

 最近の研究から、老化・寿命を制御する分子基盤が徐々に明らかとなり、抗老化・延命を実現する分子メカニズムについての報告が相次いでいる。当研究室においてはこれまで、ヒト培養細胞を用い細胞老化誘導因子およびシグナル経路に関する解析を進め、細胞老化研究という観点から老化を制御・誘導するシグナル・因子群の分子基盤を明らかにしてきた。そこで今後は、これら因子群の機能性およびクロストークを明らかにすることで、抗老化・延命実現のためのターゲット分子としての検証を行っていく予定である。さらに抗老化・延命を実現するアンチエイジング活性を有する因子の探索とアンチエイジング食品開発に向けた研究を行う予定である。具体的なテーマは、1)ガン細胞の無限寿命性を保証しているテロメラーゼの制御機構の解明、2)細胞老化誘導シグナルの分子基盤の解明、3)寿命制御の分子基盤の解明、4)老化に依存した疾患発症の分子機構の解明とその予防・治療に向けた試み、5)アンチエイジング活性を有する因子の探索、6)アンチエイジング食品の開発、等を予定している。

 詳細は、こちらまで。 

ガン細胞及びガン細胞由来の正常化細胞の表現型及びテロメラーゼ活性
 ガン細胞は細胞どうしが接触しても増殖を続け、コロニー(フォーカス)を形成するが (A)、正常化した細胞では接触阻止を起こし単層状態で増殖を停止する (B)。この両細胞のテロメラーゼ活性を測定したところ、ガン細胞では強いテロメラーゼ活性が認められたが、正常化した細胞ではテロメラーゼ活性は消失していた。このことはガン細胞から有限寿命の賦与された正常化細胞が誘導されたことを意味している。
正常ヒト線維芽細胞と老化誘導した正常ヒト線維芽細胞
 正常ヒト線維芽細胞は、様々な老化誘導処理(ガン遺伝子、MAPキナーゼ、酸化ストレス等)により、細胞老化表現型(細胞の扁平化およびβ-ガラクトシダーゼ活性)を示すようになる。

戻る...