はじめに

研究内容

研究成果

メンバー

プロトコール
   蛍光変換蛋白質のバルク変換
   BY-2 細胞の形質転換

植物細胞(写真館)

タバコBY-2細胞

実験室写真館

役に立つリンク





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自食作用(オートファジー)とは
 工場生産の際に工場の機 械を動かすため の電気や石油等のエネルギーが必要なように、生命活動でもエネルギーが必用となります。植物の緑葉では、昼間は光合成により光エネルギーを化学エネルギー 物質であるATPに変換しています。一方、根等の非光合成器官では、光合成産物である転流糖を用いて、呼 吸によりATPを合成しています。従って、天候不順の際には根への光合成産物の転流量が減りますが、生命を維持するための最低限の代謝(基礎代謝)のため のエネルギーは、根の細胞にも必要です。また、窒素等の 養分を植物は土壌から吸収しますが、多くの養分が水溶性のため、降雨等で水環境が変化すると、養分の供給量が減少することがあります。しかし、このような 条件でも基礎代謝は行われるため、それに必要な窒素化合物を獲得する必要があります。
 そこで、このような栄養不足に対応するため、植物を含む真核生物は、自食作用(オートファジー)と呼ばれる機構を発達させてきました。自食作用とは、細 胞質の構成要素の一部を、リソソームまたは液胞に運び分解することにより、外部からの栄養等の供給無しに、代謝活 動に必要なアミノ酸やエネルギー源の化合物を細胞内に供給する機構です。

 この機構を可視化するため、私達は、赤色蛍光タンパク質由来の凝集体をレポーターとする実験系を開発しました。この系は、植物細胞においてはオートファ ジーによる分解が液胞で起ることと、液胞は細胞内で最も大きな体積を占めることを利用しています。富栄養状態では細胞質に点状に分布する赤色蛍光タンパク 質凝集体は、細胞を飢餓にさらすと減少し、赤色の蛍光は液胞に移ってゆきます(下図)。その際に、レポーターとし て用いているCytb5−RFPの切断が認められます。
 現在、この実験系を用いて、糖、窒素、リン酸の各々が不足した際の、オートファジーの誘導機構に違いがあるか、研究を進めています。