― 様々なカイコはどのようにして誕生したのか ―
① カイコのルーツとシルクロード
カイコはおよそ6000年前に、中国で野生昆虫であるクワコが家畜化されて飼育されてきた昆虫とされます。飼育の目的は絹製品、つまり“シルク”の原料となる生糸を繭(まゆ)から得ることでした。サナギを食用にするためとした説もあります。
日本人とカイコの付き合いは、魏志倭人伝にも登場していることから、少なくとも2000年前からと考えられています。

② 多様なカイコの形質
九州大学には世界から収集されたおよそ800種類の様々な特徴を持ったカイコ系統が保存されています。
カイコを維持するには毎年の継代が必要であり、100年以上飼育が続けられている種類もあリます。この様々な特徴を持つカイコを使って、カイコ品種の育成、研究が行われてきました。現在も世界最大のコレクションとして役立てられています。

③ カイコのライフサイクル
カイコは人間によって完全家畜化された昆虫です。そのため人の手が入らないとすぐに死んでしまいます。
エサである桑の葉がない時は貰えるまでじっとその場から動きません。もしも桑の木に幼虫を放ったとしても、しがみつく力が弱いためすぐに落ちてしまいます。そして外敵から身を守る方法や攻撃手段を持たないため、すぐに死んでしまいます。そんな、人が頼りの昆虫なのです。
カイコは、卵から孵(ふ)化して約50日かけて成虫になります。成虫になると羽が生えますが、品種改良によって体が重くなったため飛ぶことができません。また口が退化して無くなるのでエサを食べることができず、長くても10日ほどしか生きられません。
ちなみに、カイコは家畜であるため1匹2匹ではなく1頭2頭と数えます。

