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(グラスフェッドビーフ)
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  完全牧草牛(グラスフェッドビーフ)


  完全牧草牛(グラスフェッドビーフ)とは

牛は本来、人が利用できない草資源から良質なたんぱく質を生産することができます。一方で、日本の牛肉生産の多くは輸入穀物飼料に依存しており、それに伴う環境負荷が大きくなっています。
当研究室では輸入穀物飼料の依存から脱却した畜産を行うために、草資源から良質なたんぱく質を生産できるといった牛の特徴を活かし、出生後から一貫した放牧による新たな牛肉生産として国内草資源100%で黒毛和牛の牛肉生産を行っています。


  放牧では牛は大きくならない?

一般的に、放牧による管理では牛の増体が悪いとされています。その為、放牧による牛肉生産を行うためには、増体が良い飼養管理技術が必要です。
そこで我々は今回の完全牧草牛を創出する中で、放牧と国内草資源の利用だけで増体が改善される飼養管理技術を開発しました(現在、特許出願中)。この技術を用いることで放牧と国内の草資源でも安定した牛肉生産が可能となります。




  放牧を一年中行っている

当研究室で飼養管理されている完全牧草牛は生後から出荷まで一年中放牧を行っており、母乳と牧草によって自然の中でのびのびと育てられています。その為、牛は好きな時に草地で牧草を食べ、好きな時に水を飲み、好きな時に休息をとることができます。飼育期間中は基本的に行動を制限することなく、牛の自由に任せた管理を心がけています。

 
完全牧草牛は、晴れの日も雨の日も雪の日も自由に放牧を行っています。
また、草地には日よけや雨よけ用の簡易的な小屋があるため牛は居心地の良い場所を自分たちで選んで日々生活しています。



  実はレア? 黒毛和牛の赤身肉

よく耳にするA-5ランクなどの格付けは、実はお肉の美味しさを表しているわけではありません。この格付けは肉量や色、霜降りの度合いを表しており、最高の霜降りを持つお肉がA-5ランクとなっているのです。
しかし、現在の和牛ではA-5、A-4ランクが約8割を占めており、黒毛和牛のほとんどが霜降り肉となっています。一方で、私たちが生産を行っている完全牧草牛は一年中自由に歩き回っているため、一般的にはとても珍しい黒毛和牛の赤身肉となっています(格付けはB-2)。黒毛和牛のもつ赤身の美味しさを存分に楽しめるお肉になっています。

 
上段:メス牛(26か月齢)と枝肉
下段:去勢牛(28か月齢)と枝肉


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