食品機能を探る科学

食品成分の機能性評価

 当研究室では、様々な食品素材から生体調節機能(主として、血圧上昇抑制機能、血管機能改善作用及び血糖上昇抑制作用)を有する食品成分をHPLC等を用いて単離・精製し、LC-MSやNMR等を用いて同定しています。また、それら同定された成分の作用メカニズムを動物実験(in vivo, ex vivo)、細胞実験(in vitro)やコンピューターシミュレーション(in silico)を用いて明らかとしています。さらに、食品は薬剤成分とは異なり、多成分混合系での摂取を前提としており、食品としての機能性を評価するため、目的成分と共存する成分の影響の解析も行っています。

研究成果

その1

血管カルシウムチャンネル量は加齢(40週齢ラット)によって顕著に低下

(九大プレスリリース 2014/02/13 「老化によって血管力が低下し、血管拡張作用が減弱する機構を解明」 T. Fukuda et al. PLoS ONE 9(2): e88975)

その2

これまでに見出された低分子ペプチドTrp-Hisの血管機能改善作用メカニズム

(低分子ペプチドTrp-Hisは血管平滑筋細胞において、L型Ca2+チャンネル阻害作用とCaMキナーゼII 阻害作用を有する)

その3

低分子ペプチドTrp-Hisの長期投与による動脈硬化予防作用

その4

分子動力学的シミュレーションを用いたペプチドとタンパク質の相互作用解析

実用化製品

 当研究室の研究成果に基づき、これまで血圧上昇抑制作用を有するサーデンペプチド(低分子ペプチド Val-Tyrを主たる関与成分とする)を含む食品が特定保健用食品として認可を受け、実際に販売されています。また、長崎県、長崎県立大学、長崎大学との共同研究により開発された、新規高機能発酵茶が「美軽茶(みがるちゃ : Wonder leaf)」として販売されています。

サーデンペプチド含有特定保健用食品

サーデンペプチド含有特定保健用食品

高機能発酵茶「美軽茶」

高機能発酵茶「美軽茶」
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