食品成分が発現する機能性の多くは、腸管吸収後に循環系に入ることで標的部位へのアクセスすることを前提としていますが、その吸収性の評価は極めて困難であり、食品成分の吸収性評価は十分でないのが現状です。そこで、当研究室では、様々な分析化学的手法(HPLC, LC-MS, MALDI-MS imaging 等)を用いて、腸管上皮モデル細胞(in vitro)及び動物(ラット、in vivo)食品成分の吸収ルート・代謝過程及び血中動態の評価を試みています。また上記同様に、多成分混合系である食品として摂取を想定し、共存する成分が他の成分の吸収性に与える影響の解析も行っている。
当研究室において開発したTNBS誘導体化による高感度LC-MRM-MS/MS分析
fmol/injection vol. レベルでの検出が可能 = 血液1滴(50 µL)からの血中低分子化合物の検出が可能
(特許取得済み)
低分子ペプチド単回投与後ラットにおける血中ペプチド濃度の経時的変化
ポリフェノールの体内代謝挙動の解析
低分子ペプチドの腸管吸収過程の可視化(腸管組織において、低分子ペプチドは一部はそのまま、一部は分解されたアミノ酸として吸収されている)
食品成分の単離・同定及びそれらの吸収性評価等で用いる質量分析計