がんを自滅に導くアポトーシス誘導作用

サプリメントの一つである低分子化フコイダンの作用について説明します。
低分子化フコイダンの特性的な作用として「アポトーシス誘導作用」があります。 きわだっているのは、がん細胞だけに特異的に作用し、アポトーシスへと導くことです。

私たちの研究では、正常細胞とがん細胞に対し、さまざまな濃度の低分子化フコイダンを加えて アポトーシス誘導を観察しました。

細胞がアポトーシスを起こすとDNA量が減少します。 そこでレー ザー光線を細胞に当て、DNA量を測定するフローサイトメトリーという装置を使って アポトーシスの有無を調べました。

結果として、正常細胞に低分子化フコイダンを与えても、まったくアポトーシスを起こさないことがわかりました。このことから正常細胞への毒性はないとみなすことができ、細胞全般にダメージを与える抗がん剤のような副作用は起こりません。

それに対し、がんの一種であるヒトの白血病由来HL60細胞にさまざまな濃度の低分子化フコイダンを加えてみると、 アポトーシスが起こり、 濃度が高くなるほどアポトーシスを誘導しやすいことがわかりました。

さらに、がんの一種であるヒト線維肉腫由来細胞株HT1080細胞に低分子化フコイダン抽出液を加え、48時間にわたって観察してみました。低分子化フコイダンを加えたがん細胞は次第に丸くなって動きが止まり、内容物が風船のように漏れ出してきました。つまり、アポトーシスを起こしていることが確認できたわけです。

現象としてはそうなのですが、複雑な多糖体であるフコイダンのどの成分がアポトーシスを起こさせているのかについては、私たちも、国内外の研究者たちも未だ研究中であり、特定できていません。

しかし、有効成分が特定できれば、それだけを抽出することにより、さらに効果のある医薬品やサプリメントの開発が期待できるわけです。

消化酵素低分子化フコイダンのヒト非接着細胞に対する増殖抑制効果
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