日本の国土の7割は森林に覆われています。
長い歴史のなかで、人々の暮らしと森林は密接にありました。
山菜やキノコの採取、薪や炭、そして木材。
人々は時に森林を過剰に利用し、また森林を修復もしてきました。
現在、森林の4割を占める人工林も、その人の営みによるものです。

森林の多面的機能は、今や広く周知されています。
森林浴などのレクリエーション利用、土砂崩れ防止。
地球規模には、生物多様性保全、地球温暖化の抑制。
そして、再生可能な資源である木材利用による
持続可能な循環型社会の形成へも期待が寄せられています。

これらの機能を発揮するためには、森林が単に存在するだけでは不十分です。
求める機能にあった「適切な管理」により森林の成長を導かねばなりません。
しかし、人々の暮らしと森林の距離が広がった現在では
多くの人工林はそのための「適切な管理」から離れつつあります。

また、森林の8割は中山間地域にあり、森林の「適切な管理」を考える上で、
山村社会のありようは見逃すことのできない要素です。

一方で、いかに手を入れるか、利用するかが課題となった我が国とは反対に
地球規模では熱帯雨林をはじめ、多くの森林が失われつつあります。
木材輸入大国かつ森林大国として政策、国民の消費行動が問われています。

森林と人類との関係を歴史的、社会・経済的に研究し、
良好な森林を維持・形成するための方策を解明することは、
持続可能な循環型社会の形成を推進する上で、きわめて重要な課題です。森林や林業が直面している様々な課題に、
どのような解決策が求められているのでしょうか。

森林政策学研究室では、
このような森林と人類との関係について
人文・社会科学的観点からアプローチしています。

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