2.カイコの凍結保存に関する研究

― カイコを液体窒素中で保存する ―

 普通、カイコは卵で1年ほど保存します。1年以上、保存することはできず、系統維持のためには毎年の飼育が必要です。研究室には約800種類のカイコが保管されているので、この労力は大変です。東日本大震災のような巨大災害や火災などがあった場合には、大きな被害を受けることが想定されます。

 そこで、ヒトや家畜で行われている生殖医療技術を応用し、長期保存の開発研究を行っています。雄の場合は精子を採取してストローに入れ、液体窒素中に保存します。雌の場合は未分化な時期に卵巣を摘出し、同じように液体窒素中に保存します。

 卵巣は凍結後、別個体(ホスト)へ移植します。凍結後の卵巣が発達し、卵が形成されれば移植成功。精子は、凍結しておいた精子を雌へ人工授精し、受精が確認されれば目的は達成となります。

 実験の現状としては、実用レベルに達しているものの、より成功率を高めるための研究を進めています。また他の昆虫への応用も行なっています。昆虫には絶滅危惧種が多いので、本方法が有効であれば昆虫種の保全への利用が進むと期待されています。

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