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魅力ある大学院教育のイニシアティブ 採択事業 世界戦略的フードサイエンス教育

2006.11.1.ホームページ開設

世界戦略的フードサイエンス教育 > 概要

概要

プログラムの紹介、内容

世界戦略的フードサイエンス教育の必要性

1. 世界の食料事情の改善と食料の確保

日本が今後も質、量ともに安定的な食料を確保し、世界の食料事情の改善に貢献していくためには、東アジアを基盤とした世界戦略的な視点からの食料資源の確保と開発、新食品の開発、食品機能の開発ならびに市場の開拓が求められます。我が国の農林水産分野の大学院教育には、これを担うことのできる人材の育成が求められています。

 

2. 食料の質(安全性、機能性)と量の確保

食の安全性や機能性と量の確保のためには食品原材料の生産現場である農場から食卓までのフードチェイン全ての課程、すなわち原料となる農水畜産物の生産・開発、これらを原料とした食品の製造における基礎研究、市場調査、企画開発、製造現場における衛生管理、加工技術開発、さらに流通段階での衛生管理や流通管理といった分野で、国際性、戦略性、市場性、安全性、機能性とマネージメントに対する知識と意識が必要であり、この教育には自然科学と社会科学の融合教育が重要となってきます。以上の視点から、国内・海外食品関連企業で世界戦略的視点で食品研究・開発できる研究者・技術者ならびに国際的基準に立脚した食料政策立案や対外交渉能力を持つ研究者・技術者を育成するための大学院教育プログラムとして「世界戦略的フ−ドサイエンス教育」を提案いたします。

3.「世界戦略的フードサイエンス教育」の育成する人材

以上の視点から、国内・海外食品関連企業で世界戦略的視点で食品研究・開発できる研究者・技術者ならびに国際的基準に立脚した食料政策立案や対外交渉能力を持つ研究者・技術者を育成するための大学院教育プログラムとして「世界戦略的フ−ドサイエンス教育」が重要です。

  • 国内・海外食品関連企業で世界戦略的視点で食品研究・開発できる研究者・技術者
  • 国際的基準に立脚した食料政策立案や対外交渉能力を持つ研究者・技術者

4. 融合教育実施の重要性

国際的に活躍できるフードサイエンスおよびフードシステムの研究者・技術者の育成のためには、社会ニーズの調査結果などから、フードサイエンス教育においては、食に関する政策、制度、マーケッティング、流通、経営などのフードシステム分野の教育が、また、フードシステム教育ではリスク評価、食の機能性に関するフードサイエンス分野の教育がそれぞれ必要で、さらに両分野において、国際性とコミュニケーション能力と知的財産権についての教育も重要となります。

5.本教育プログラムの特色・独創性

本教育プログラムで提案する融合教育の特徴は、

  1. 安全性、機能性などフードサイエンス科目、国際性、生産流通、知財・マネージメントの5つのコア共通科目群による体系的な融合必修教育の実施
  2. 海外留学制度および国内外企業や研究機関へのインターンシップ制度
  3. 外部アドバイザリーボードによる研究評価・提言
  4. 博士課程修了者に対するフードサイエンスおよびフードシステム技術者認定制度です。

(1)安全性、機能性などフードサイエンス科目、国際性、生産流通、知財・マネージメントの5つのコア共通科目群による体系的な融合必修教育の実施

特色の1として、両専攻から提供されるコア共通科目群、実習を必修科目として指定し、これに加え各専攻科目群を履修させる融合教育により学際的、国際的な基礎知識を習得することができます。

(2)海外留学制度および国内外企業や研究機関へのインターンシップ制度

次に、博士課程進学後、直ぐに学生を海外の学術協定校などに留学させ、また、国内外の研究機関や企業の研究所に派遣する戦略的インターンシップ制度を導入します。学生に実際の現場を経験させる中で、社会ニーズの発見、独自に問題の発見と解決のための方法論を修得する機会を与え、戦略的、実践的な研究・開発のマネージメント能力の開発を行います。

(3)外部アドバイザリーボードによる研究評価・提言

本教育プログラムでは、外部アドバイザリーボードによる教育や研究に対する評価や提言を受けます。外部アドバイザーと参画する教員で定期的に会合を開き、教育の方向性を確認、統一し、社会的、国際的ニーズ発見とその教育・研究現場への迅速に反映させるなど、教育内容の改善を継続的に行うことも特徴であります。博士研究の中間評価における提言を論文作成に反映させることにより、発展性のある博士研究の推進を図ります。

(4)博士課程修了者に対するフードサイエンスおよびフードシステム技術者認定制度

本大学院教育プログラムでコア共通科目の5関連科目群15科目のうち5群5科目10単位(必修)、融合実習を履修し、海外留学または国内外インターンシップを行って博士論文作成し、最終試験に合格したものに受験資格を与え、認定試験合格者にはフードサイエンス技術者およびフードシステム技術者として九州大学で認定します。この資格は日本食品科学工学会および日本フードシステム学会などの関連学会と連携して社会に定着させることを目的としています。

(5)九州大学の特性と本プログラムの関係

我が国の食料源であるアジア圏は九州大学の教育研究のフィールドであり、生物資源環境科学府では、ホーエンハイム大学のチェンマイにおける食料資源開発プログラムにも参加し、将来的には日独共同大学院プログラムとして発展させる計画です。また、中国との農林水産研究も本年度から開始され、他にもベトナム、タイ、バングラデシュなどアジア圏各国において共同研究が行われています。これに学生を参画させることで、アジアにおける食の現状認識、新たな機能性および食品開発につながる発見などが期待される点も本教育の特徴です。



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