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魅力ある大学院教育のイニシアティブ 採択事業 世界戦略的フードサイエンス教育

2006.11.1.ホームページ開設

世界戦略的フードサイエンス教育 > はじめに

はじめに

本教育プログラムの概要と審査結果

事業の全体像

九州大学では、平成12年4月より、全国でも初めての「学府・研究院」制度を利用し、学府教育に研究院の枠を超えた柔軟な組織編成が可能となり、単一の専門領域の知識だけではなく、異なる領域の知識を合わせ持つ研究者のニーズに対応すべく、深い専門知識を持ち、同時に関連する異なる領域の専門知識を必要とされている研究者を養成する組織の編成も可能となっている。
この制度を用い、大学院教育の学際化と国際化を図るために、修士課程、博士後期課程を通してコア教育と融合実習を行うことは、今後の大学院教育の学際化の一歩となる。

本提案は食料生産を中心とした学際的教育プログラムを生物資源環境科学府を主軸として構築するものであり、本提案の中心となる (1)生物機能科学専攻のフードサイエンス教育・研究を基盤として、食料開発における市場調査、国際性、流通システム開発において重要な社会科学系教育との融合教育による国際的に通用するトータルフードシステムサイエンティストの育成、(2)海外留学制度の導入、所定の単位取得者に対して試験を行い、合格者をフードサイエンス技術者およびフードシステム技術者として認定するが、将来的には日本食品科学工学会および日本フードシステム学会と連携して資格制度を構築することは、九州大学の中期目標に掲げ、推進している内容に一致する計画である。

取り組み・計画

世界戦略的な食料の安全と量の確保ならびに安全性・機能性を志向した世界戦略的な食品開発研究のためには自然科学系と社会科学系の実質的な融合教育・研究が最重要課題である。

米国では、食品安全大学院教育課程があり、博士前期・後期課程において、食品科学、食品安全および、これらに係る社会科学系の教育が行われ、戦略的な食品および食品安全システム開発のための人材が育成されている。しかし、わが国では、そのような実践的、世界戦略的食品開発のできる研究者を養成する教育研究施設はない。

農学、特に食料科学分野において、社会科学的知識・技術を持ち、食品開発において世界戦略的・創造的研究を行うことのできる人材を育成する。また、研究開発技術分野と連携して戦略的食料マーケッティング企画・システムの提案を行うことのできる食品産業事情に精通した人材を育成することが本提案の骨子である。

本提案の中心計画は、以下のとおりである。

  1. 修士、博士後期課程を通した自然科学・食品科学系と社会科学系の融合したコア教育と融合実習
  2. 複数専攻教員による複数指導教員制と研究計画および実施への外部アドバイザーによる評価と提言の反映
  3. インターンシップを通した実践型教育
  4. 海外留学制度の導入
  5. 所定の単位取得者に受験資格を与え、試験合格者を技術者としても認定する資格認定制度

本計画の実施により、修士、博士後期課程を通して若手研究者を養成する。

(1)のコア教育と融合実習は修士、博士後期課程を通して実施し、(2)により、研究の計画および内容に国際性、発展性を強化することができ、さらに、教育の国際化、産学連携化を目的とする(3)および(4)により博士後期課程の中で一定期間、国内外の大学・企業で実地教育を受けることを推奨し、学生の自主的な研究の深化を図ることが期待できる。

プログラムの特色

農学、特に生物機能科学の研究ターゲットである生物生産における安全性の確保と新規物質の生産において、社会経済科学的な知識に基づいて、国際競争力のある、戦略的な生物生産、食品企画・開発を行うことのできる研究者を養成することが本教育プログラムの目的である。

また、所定の科目と単位を取得した者には、技術者認定試験の受験資格を与え、合格者をフードサイエンス技術者、およびフードシステム技術者として九州大学が認定する。
将来的には本資格、および資格取得に至る本教育プログラムを日本食品科学工学会および日本フードシステム学会推奨の資格および教育カリキュラムとして社会に定着させる。

食の安全、機能、流通は国際的にも大きな関心事で、各国が多くの問題を抱えている。それは、食料関連研究分野の連携がとれていないためである。これらを抜本的に解決するためには生物機能科学および農業資源経済学の教育・研究を融合・複合的に行う必要がある。
また、我が国の食料源であるアジア圏は、本プログラムで育成された人材の活躍の場となる。このことからアジア圏における「食」の情報発信基地としての機能確立も本プログラムでは目指す。

養成する人材像

本教育プログラムにより、飲食に起因する危害とその予測、制御を統合的に行うことができ、社会科学的視点に立って国際競争力のある、戦略的な生物生産、食品企画・開発を行うことのできる研究者が養成される。
さらに、所定の科目と単位を修得し、認定試験に合格したものには、フードサイエンス技術者の資格が九州大学より与えられる。

また、「食」の機能性、安全性、現状分析、加工・製造など食料に関する自然科学的基礎知識を習得した社会経済科学を基盤とした国際的、戦略的な食料企画・開発ができ、食に関連した制度の提案ができる人材も育成される。
所定の科目と単位を修得し、認定試験に合格したものには、フードシステム技術者の資格が九州大学より与えられる。

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