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水産生物環境学研究室のホームページへようこそ!!

Welcome to Laboratory of Marine Environmental Science!



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2umマイクロプラスチックを取り込んだメダカ


お知らせ

第16回環会の御礼

水産生物環境学研究室の目標(Goal)

 今,人類は乱獲だけでなく環境破壊,地球温暖化や汚染等環境問題による生態系の衰退に直面しており,これを解決しなければ地球の未来はないといっても過言ではありません.水産・水環境の分野でも環境問題が顕在化しておりその対策が急務です.

 一方、環境問題は生物学,物理化学,毒性学,環境分析学だけでなく経済学や倫理学の問題を内包しており,その解決には高い専門性と同時に広い視点を持つ人材が求められています.

 よって本研究室では,研究を通して,教育と人間形成を行い,広い視野と高い専門性を持つ技術者・研究者を育てることを目標としています.実際には週2回のゼミ、勉強会(ライティング講座、生物学、エコトキシコロジー学in English)、計画・実験・報告と討論、内外での発表、論文発表を行い、研究者として必要な技術と知識を身につけます。

 研究では、分子生物から生化学,毒性,行動,遺伝子工学、分析化学、行動学、生態学まで幅広い手法を用いて,化学物質や有機汚染等人間活動による水生生物の影響や変調を明らかにし,水産環境を修復する研究を行います.


現在の研究

現在,環境汚染物質の水産生物への影響(蓄積,代謝,行動,再生産等への複合影響)と対策,並びに魚介類に被害を与える赤潮の発生機構の解明やその被害軽減策の開発を2本の柱にした研究を行っています.


その成果の一部を紹介します.

 <新規異物結合排泄タンパク質TBT-bpsの研究>強力な内分泌撹乱化学物質(環境ホルモン)であるトリブチルスズ(TBT)が魚の血液中で,TBTを結合するタンパク質と結合して高濃度に存在する事を世界で初めて報告しました.このタンパク質はフグ毒結合タンパク質とホモログであり魚類だけでなく脊椎,無脊椎動物に存在して,異物から体を守る働きをしていると予想しています.このタンパク質が分子進化してフグ毒結合タンパク質になったことを解明しました.
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 現在、BT-bps遺伝子破壊(KO)を行い機能解析を進めています。



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 <化学物質の毒性評価>

メダカの卵に直接0.5 nl化学物質を注射して,その複合影響を評価する研究を進めています.現在金沢大学と共同研究を行いPM2.5中にも含まれるPAHの毒性をメダカの骨形成から研究しています。

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*PM2.5の成分をメダカ胚に注射した影響(骨形成の異常)

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*次世代シーケンサmRNA-Seqにより解析したメダカ遺伝子発現の網羅的解析


<有害渦鞭毛藻の分子生態学的研究、化学物質の藻類に対する複合影響>
さらに赤潮藻類の現場海域における増殖・衰退に関わる物理化学的,生物学的要因を調べるとともに,ラフィド藻シャットネラおよび珪藻タラシオシラをモデル生物として 環境変化や化学物質暴露によるこれら赤潮生物の生体内応答に関する研究を行っています.

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 <環境汚染のモニタリング> 
フナムシをつかった渚域の環境汚染のモニタリングの研究

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 <タイラギ貝の異常斃死解明> 
有明海で頻発しているタイラギ貝の異常斃死を次世代シーケンサーを用いて分子生物学的手法を用いて解明します。

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水産生物環境学研究室の成果

本研究室ではこれまで多くの卒業生を水産・その他の分野に送り出しています(メニューから卒業生の就職状況参照).研究では2000年からで,32名が博士論文,2名が生物資源環境科学府賞,6名が日本学術振興会特別研究員,3名が日本環境毒性学会奨励賞を,職員が水産学会進歩賞を受けています.また毎年多くの論文を出し,社会に発信し続けています.


我々の研究は、 Google Scholarによる学術引用回数が200回を超える論文が1つ、100回を越える論文が9つ、50回を越える論文が21と、この分野で高く評価されています。

お問い合わせ

研究や進学に関するお問い合わせは下記までお願いします.


812-8581 福岡市東区箱崎6−10−1

九州大学大学院 農学研究院 水産生物環境学研究室

大嶋 雄治

E-mail:yoshima(atmark)agr.kyushu-u.ac.jp