比較試験を通してポテンシャルの高い筋幹細胞を見つけ出す!

同じ筋細胞(筋線維)上の筋幹細胞であっても、休止状態を維持しようとするグループや、反対に筋を形成するために活性状態にあるグループが共局在する“機能的不均一性”という現象が、国内外の研究者たちによって捉えられています。私たちは、筋線維という1細胞上の話ではなく、もっとマクロな視点でこの不均一性を確認してみようという研究に取り組んでいます。そして、細胞の特徴に違いが生じるメカニズムを解明することで、骨格筋を積極的に作り上げる(ハイポテンシャルな)筋幹細胞を見つけ出したいと考えています。また、ハイポテンシャルな筋幹細胞を人為的に増加させる技術開発を目指しており、食肉生産動物の筋量増大はもちろんこと、最近注目されている培養肉産業への応用方法を模索したいと考えています。

具体的なアプローチとして、骨格筋の部位や個体ごとといった比較基準を設定し、筋幹細胞の筋分化の様相や形成する新生筋線維(筋管)の筋線維型組成の違いなどをターゲットに調べています。

体の中には色々な骨格筋部位があります。発生起源が同じでも、それぞれの運動様式は違います。
各筋部位に局在する筋幹細胞の特性とはどうなっているのでしょうか。