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ツシマヒメスズメバチ

和名 ツシマヒメスズメバチ(ヒメスズメバチ対馬亜種)
学名 Vespa ducalis esakii Sonan, 1935
英名 なし(あるわけない)
原産地 対馬(厳原)

★リュウキュウヒメスズメバチ(琉球亜種)はこちら

分布

ツシマヒメスズメバチの雄

ヒメスズメバチはアジアに広く分布しますが、長崎県対馬のヒメスズメバチは、他地域のと一見して異なる独自の色彩をしており、別亜種 esakii として区別されています。

亜種名は、九州大学昆虫学教室の初代教授である江崎悌三博士にちなんでいます。当初は、Vespa esakii という独立種として記載されましたが、その後、亜種に降格となりました。

わざわざ現地を訪れる研究者や愛好家が少ないせいなのか、インターネット上で画像検索をかけても、対馬亜種の写真は出てきません。そのためかどうかわかりませんが、(昆虫関係の研究者であってすら)認知度が非常に低いスズメバチです。

対馬にはまだ1度しか行ったことがありませんが、その時の経験では対馬で最もよく見かけたスズメバチでした。世界で対馬にだけ生息するとても貴重なスズメバチですが、個体数の少ない種ではないようです。

形態

休息するツシマヒメスズメバチの働き蜂

腹部末端節が黒色ではなく、他のスズメバチ同様に黄色となっているのが特徴です。

それ以外では、腹部全体的に黒色の部分が減退しており、一見するとオオスズメバチやコガタスズメバチのような雰囲気をしています。また胸部前方(前胸背板)にも黄色部がやや発達しています。

九州北部と韓国のヒメスズメバチは外見的によく似ていて、腹部末端節はもちろん黒色です。なのに両者に囲まれ、距離的にもさほど隔離されていないにもかかわらず、対馬のヒメスズメバチだけがお尻の先が黄色。また腹部全体的にも黄色と黒のきれいなシマシマ模様。不思議です。

なお、本土産と同様に性質のおとなしいスズメバチです。刺傷例がどの程度あるのか把握していませんが、おそらく被害はとても少ないのではないでしょうか。

ミツバチ飼育用の木箱内に作られた巣

巣に戻ってきたツシマヒメスズメバチの働き蜂

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